Monday, April 14, 2008

映画篇

以下の本を読んだ.

映画篇
金城 一紀
  • 単行本: 363ページ
  • 出版社: 集英社 (2007/07)
  • ISBN-10: 4087753808
  • ISBN-13: 978-4087753806
  • 発売日: 2007/07
  • 商品の寸法: 19 x 13.8 x 2.2 cm
物語の力が弾ける傑作!!
笑いと感動で胸が温かくなる傑作ぞろいの作品集。
『ローマの休日』『太陽がいっぱい』など不朽の名作をモチーフに、
映画がきっかけで出会った人々の友情や愛を描く。
...とのこと.

SPEED などがよかったので,読んでみた.
# 最近だと SP とかも話題か.
各映画が題材として取り上げられているが,とくにその内容についての
前提知識はいらず,読みやすい.
# でも,映画の内容が分かっていれば,もっと面白いのかも.

5本の作品からなる短編(?)集.
それぞれの作品が微妙にリンクし,最終章につながっていく.
# ローマの休日のポスターが象徴的.
途中,細かいやり取りや状況の描写などが,非常に巧みであり,
目に浮かぶようである.
また,読み終わりが非常に すっきり しており,爽快である.
# なぜだろう.
そのなぞを探るためにも,他の作品も読んでみよう.

Sunday, April 13, 2008

裁判員制度の正体

以下の本を読んだ.

裁判員制度の正体 (講談社現代新書)
西野 喜一
  • 単行本: 232ページ
  • 出版社: 講談社 (2007/8/17)
  • ISBN-10: 4062879034
  • ISBN-13: 978-4062879033
  • 発売日: 2007/8/17
  • 商品の寸法: 17.4 x 10.8 x 0.8 cm
若干,研究との兼ね合いもあり,読んでみた.
読めば読むほど,裁判員制度の実現が困難であることを
思い知らされる内容になっている.
裁判員制度の仕組みの説明もなされてはいるが,それよりも
その成立過程について,詳しい.
賛成派と反対派の妥協案の産物であることから,参審制,陪審制と
比べて,いかに中途半端な制度であるかが,述べられている.
一般の国民が裁判員になることのデメリットが多く書かれており,
また,この 兵役 を逃れる術も書かれている.
実際,これを実行すれば,裁判員を引き受けることにはならなそうだ.
しかしながら,研究との兼ね合いもあり,若干,裁判員がどんなものかを
経験することにも興味がある.
# ...やっぱり危険かな...
裁判員制度は,2009年5月21日から実施されることが正式に
決まったようだが,後にひどい制度として,各国からの嘲笑を
かわないことを願う.
# その前に,きちんと実施できるのだろうか?

Thursday, March 27, 2008

流星の絆

以下の本を読んだ.

流星の絆

東野 圭吾
  • 単行本: 482ページ
  • 出版社: 講談社 (2008/3/5)
  • ISBN-10: 4062145901
  • ISBN-13: 978-4062145909
  • 発売日: 2008/3/5
  • 商品の寸法: 19.2 x 13 x 3.6 cm
全ての東野作品を凌ぐ現代エンタメ最高峰!
殺された両親の仇討ちを流星のもと誓った功一、泰輔、静奈の兄妹。
十四年後、泰輔が事件当日目撃した男に、功一が仕掛ける復讐計画。
誤算は、静奈の恋心だった。...とのこと.

著者の最新作品につき,迷わず読んでみた.
# 実際には,もうちょっと前に書かれたものか.
3兄妹の絆を中心とした,詐欺の話.
ハヤシライス,流星,LED,かさ,指紋,など,さまざまな伏線が緻密に
張り巡らされており,楽しめる.
一番最後の,指輪の件には,ホロっとさせられる.
# 実際には,こんなにいい人はいないかな.
# でも,恋は盲目か.だとすると,やっぱりだまされていることになる?

誤算が恋心,とのことだが,これが直接的な原因ではないような気もする.
また,最後の種明かしの,傘の柄の傷は,さすがに強引な気がする...
それにしても,相変わらず,楽しめる作品であった.
# でも, 全ての東野作品を凌ぐ現代エンタメ最高峰,は少し言いすぎか?

# 柏原は,最終的には,いい人?
# 功一は,料理人になるべき.

Tuesday, March 25, 2008

夢をかなえるゾウ

以下の本を読んだ.

夢をかなえるゾウ
水野敬也
  • 単行本: 357ページ
  • 出版社: 飛鳥新社 (2007/8/11)
  • ISBN-10: 4870318059
  • ISBN-13: 978-4870318052
  • 発売日: 2007/8/11
  • 商品の寸法: 18.6 x 13.4 x 2.6 cm

「成功法則書を読んでも人が成功しないのはなぜか?」
世の中にはこんなに多くの成功法則書、ビジネス書があふれているのに、
成功者が増えたという話は聞い たことがありません。
なぜだろう? ずっと感じていた疑問でした。
そしてこの疑問に対する1つの解答を用意したのが本書です。
主人公は「人生を変えよう」として何かを始めるけど全部三日坊主 に
終わってしまうサラリーマン。
しかし、ある日突然、彼の目の前にゾウの姿をした奇妙な生き物が現れます。
「ガネーシャ」という名を持つ、インドからやっ てきたこの神様は、
主人公の家にニートとして住みつき、ゲームをしては寝るだけ。
たぶん、史上最悪のメンター(師匠)でしょう。
しかし、ガネーシャはこう 言います。
今から自分が出す簡単な課題さえこなしていけば、お前は確実に成功する――。
成功を願う普通のサラリーマンとぐうたら神様ガネーシャ。
この二人 が「成功するためにはどうしたらいいか?」「そもそも成功とは?」
自己啓発書のメインテーマを、従来とは少し違った形(具体的に言うと、慢才です)で
深め ていきます。
拙著『ウケる技術』や企画・脚本を担当したDVD『温厚な上司の怒らせ方』でも
意識した「笑えてタメになる」という形式をさらに深めた本に仕 上がったと思います。
ぜひ読んでみてください。...とのこと.

一風変わった自己啓発書.
漫才のようなやりとりで進んでいき,ちょっとふざけた面白い内容になっている.
本の中では,かなり具体的な指示もあるが,一見すると成功とは関係ないと
思えるものばかりである.
しかしながら,その裏には,人生の真実が隠されている.
# ちょっと大げさか.
よって,その辺の「お金持ちになる本」などより,よっぽどためになる.
本当に,この本のとおりに行動できれば,間違いなく成功できるだろう.
# 表面的にはできるかもしれないが,実質的にものにする必要があるが.

自分の将来に 期待 してはいけない.
# 期待は結局裏切られる.
現実を変えるためには,知る のではなく,行動 して 経験 する必要がある.
# 当たり前のことだが,実践は難しい.
そして,人を愛す.

ところで,忘れないように,表面的な課題を記しておこう.
# 行動して経験していれば,忘れるも何もないわけだが.

・靴をみがく・コンビニでお釣りを募金する・食事を腹八分におさえる
・人が欲しがっているものを先取りする・会った人を笑わせる
・トイレ掃除をする・まっすぐ帰宅する・その日頑張れた自分をホメる
・一日何かをやめてみる・決めたことを続けるための環境を作る
・毎朝,全身鏡を見て身なりを整える・自分が一番得意なことを人に聞く
・自分の苦手なことを人に聞く・夢を楽しく想像する・運が良いと口に出して言う
・ただでもらう・明日の準備をする・身近にいる一番大事な人を喜ばせる
・誰か一人のいいところを見つけてホメる・人の長所を盗む・求人情報誌を見る
・お参りに行く・人気店に入り,人気の理由を観察する・プレゼントをして驚かせる
・最後の課題を必ず実行に移すこと

・やらずに後悔していることを今日から始める・サービスとして夢を語る
・人の成功をサポートする・応募する(手っ取り早く,不幸になる?)
・毎日,感謝する

Monday, March 17, 2008

犬身

以下の本を読んだ.

犬身
松浦 理英子
  • 単行本: 512ページ
  • 出版社: 朝日新聞社 (2007/10/5)
  • ISBN-10: 4022503351
  • ISBN-13: 978-4022503350
  • 発売日: 2007/10/5
  • 商品の寸法: 19 x 13.2 x 4.2 cm
あの人の犬になりたい。
そして、人間では辿り着くことのできない、心の深みに飛び込んで行きたい。
「自分は犬である」と夢想してきた房恵が、思いをよせる 女性の飼い犬となるため、
謎のバーテンダーと魂の契約を交わす。
ところが、飼い主の家族たちは決定的に崩壊していた。
オスの仔犬となった「フサ」は、彼女 を守ることができるのか?
『親指Pの修業時代』から14年。
今、新たに切り開かれる魂とセクシュアリティ。...とのこと.

本著者の作品ははじめて読んだ.
ふれこみにあるとおり,単純に,好きな人の犬となり,その人との生活について
書かれているものと思っていた.
しかしながら,実際には,まったく思惑が外れた.

犬の目線からの物語であるのは当然だが,その飼い主を取り巻く環境,および
それに対する,犬ならではの関わり方など,非常に奥深い内容であった.
契約を交わして犬になるなど,明らかに現実離れしている.
しかしながら,その不自然さを感じさせない,著者の筆力,および,犬好きさには
感心させられる.
途中のストーリーがあまりにも自然であるがため,終わり方に若干物足りなさが
感じられた.
結構,満足度が高かったので,他の作品も読んでみよう.

# 朱尾は,本当はいい人?

Tuesday, March 11, 2008

乳と卵

以下の本を読んだ.

乳と卵
川上 未映子
  • 単行本: 138ページ
  • 出版社: 文藝春秋 (2008/2/22)
  • ISBN-10: 4163270108
  • ISBN-13: 978-4163270104
  • 発売日: 2008/2/22
  • 商品の寸法: 19.2 x 13.6 x 2.2 cm
娘の緑子を連れて豊胸手術のために大阪から上京してきた
姉の巻子を迎えるわたし。
その三日間に痛快に展開される身体と言葉の交錯!...とのこと.

第138回芥川賞受賞作につき,読んでみた.
受賞作とその後に書かれたもう1作が収録されている.

著者はシンガーソングライターで,これまでにCDなども発表している.
さらに,ルックスも悪くないことから,テレビなどでも数多く
取り上げられていた.
しかしながら,小説の内容に関しては,テレビなどではほとんど
取り上げられていなかったものと記憶している.
# ビジュアルがよいのが,小説家としては,いいのか,悪いのか.

実際に読んでみると,理解するのがかなり困難な,芥川賞らしい(?)
作品である.
前回受賞作「アサッテの人」に負けず劣らず,1文が長い.
# これが論文であったなら,悪文といわざるをえない.
しかしながら,帯のコメントにもあるとおり,無駄に長いわけでは
ないらしい.
風呂場やドレッシング,卵の件は,かなり印象的ではある.

今後に関しては,どれだけ読者がついていけるかによるところが
大きいだろう.
# 読者がついていきやすい文章を書けばよいかもしれないが,
# そうはなってほしくない.
# その前に,作家活動以外に音楽活動などで成功するか?
作品以外の部分で,要注目である.

ところで,この母親は本当に豊胸手術を望んでいたのだろうか.

Monday, March 03, 2008

地頭力を鍛える

以下の本を読んだ.

地頭力を鍛える 問題解決に活かす「フェルミ推定」
細谷 功
  • 単行本: 230ページ
  • 出版社: 東洋経済新報社 (2007/12/7)
  • ISBN-10: 4492555986
  • ISBN-13: 978-4492555989
  • 発売日: 2007/12/7
  • 商品の寸法: 19.2 x 13.4 x 2.2 cm
# 解説文は最後尾.
フェルミ推定をもとに,地頭力の重要性を訴えている本.
フェルミ推定とは,解がはっきりしない,かなり漠然とした問題を
身近なちょっとした手掛かりを重ねに重ねて,解いていくものである.
よって,解そのものはさほど重要ではなく,それを解くプロセスに
重きを置いている.
このプロセスを身につけることにより,自分で考える力である「地頭力」を鍛え,
単なる物知りではなく,本当の意味での頭のよい人を目指す.
確かに,ネット上には,膨大な情報があふれ,近年の検索エンジンを
駆使すれば,一昔前の知識人相当の情報は,誰でも,いとも簡単に
入手することができる.
よって,これからの時代,知識の有無自体はさほど重要ではなく,地頭力が
重要になる,というのは,至極まっとうな気がする.
# 地頭力を実現するコンピュータが開発できればよいが.
なかなかうまくまとめられており,読みやすく,理解もしやすい本.
# 地頭力が高い人が書いているから当然か.
しかしながら,実際に,実行するのは結構大変である.

とりあえず,「離れて」考えてみよう.
表面的には,「結論から」「全体から」「単純に」考えてみよう.

以下,解説文.

企業、特にコンサルティング会社の採用現場などでは、
単に頭がいい人ではなく、「地頭のいい人」が求められている。
インターネット情報への過度の依存が思考停止の危機を招き、
検索ツールの発達による「コピペ(コピー&ペースト)族」が増殖しているいま、
「考える」ことの重要性がかつてないほどに高まっているからだ。
これから本当に重要になってくるのはインターネットやPCでは代替が
不可能な、膨大な情報を選別して付加価値をつけていくという、本当の
意味での創造的な「考える力」である。
本書ではこの基本的な「考える力」のベースとなる知的能力を
「地頭力(じあたまりょく)」と定義している。

では、地頭力とは何か。
地頭力の本質は、「結論から」「全体から」「単純に」考える3つの思考力である。
すなわち「結論から」考える仮説思考力、「全体から」考えるフレームワーク思考力、
「単純に」考える抽象化思考力だ。
この3つの思考力は鍛えることができるものであり、地頭力を鍛える強力な
ツールとなるのが「フェルミ推定」である。
「シカゴにピアノ調律師は何人いるか?」。
こうした荒唐無稽とも思える問いへの解答を導き出す考え方のプロセスを問うのが、
「フェルミ推定」だ。
「フェルミ推定」と呼ばれるのは、「原子力の父」として知られ、
ノーベル物理学賞受賞者でもある、エンリコ・フェルミ(1901~1954)に由来する。

本書では、「日本全国に電柱は何本あるか?」といった例題やその解答例から
「フェルミ推定」のプロセスを紹介しつつ、「好奇心」「論理的思考力」「直感力」という
地頭力のベースとそれらのベースの上に重なる仮説思考力、フレームワーク思考力、
抽象化思考力の3つの構成要素とその鍛え方を解説している。

本書は、季刊『Think!』2007年春号に掲載されて大きな反響を呼んだ
「フェルミ推定で鍛える地頭力」をもとに全面的に書き下ろしたものである。
本書が対象とするのは、「問題解決」を必要とする業務に携わるビジネスパーソンは
もちろんのこと、「考える力」を向上させたいと考える学生なども含めた
すべての職業の人である。
フェルミ推定による地頭力トレーニングの世界を経験し、「地頭力」という武器を
持ってインターネットの情報の大海をうまく乗り越え、読者なりの「新大陸」を
発見してほしいというのが、著者から読者の皆さんへのメッセージだ。

Friday, February 29, 2008

脳研究の最前線(上巻)

以下の本を読んだ.

脳研究の最前線(上巻) (ブル-バックス)
理化学研究所脳科学総合研究センター
  • 単行本: 347ページ
  • 出版社: 講談社 (2007/10/19)
  • ISBN-10: 4062575701
  • ISBN-13: 978-4062575706
  • 発売日: 2007/10/19
  • 商品の寸法: 17.4 x 11.6 x 2.2 cm
若干,脳研究に携わっていることもあり,新しく刊行されたので
読んでみた.
最近のさまざまな研究動向が,各章ごとに説明されている.
上下巻からなる上巻であり,各章のタイトルは以下のとおり.
1.脳のシステム
2.脳の進化と心の誕生
3.知性の起源―未来を創る手と脳のしくみ
4.言語の起源と脳の進化
5.脳はどのように認知するか
6.脳はどのように情報を伝えるのか

遺伝子レベル,脳細胞,それらのネットワーク,さらには,それとは逆に,
言語の起源からと,さまざまな角度から脳研究の内容が語られている.
非常に内容が濃く,非常に...難解である...
必要に応じて,読み直そう.

Sunday, February 17, 2008

ワンちゃん

以下の本を読んだ.

ワンちゃん
楊 逸
  • 単行本: 146ページ
  • 出版社: 文芸春秋 (2008/01)
  • ISBN-10: 4163268804
  • ISBN-13: 978-4163268804
  • 発売日: 2008/01
  • 商品の寸法: 19.2 x 13.6 x 2 cm

「王愛勤」ことワンちゃんは、名前のとおりの働きもの。
女好きの前夫に愛想をつかし、見合いで四国の旦那のもとへ。
姑の面倒をみながら、独身男たちを中国へ連れていき、
お見合いツアーを仕切るのだ-。...とのこと.

中国人作家として初の芥川賞候補となった作品.
候補作とは別の1本も収録されている.

見合い結婚により,日本に来た中国人の物語.
主人公の心情が,中国の情勢を含めた彼女を取り巻く環境などとともに,
こまかく描かれている.
...が,日本語での描写能力が不足しているといわざるを得ない.
# 話題性はあるが,芥川賞受賞には,ほど遠いような気がする.

もう一本の作品も,同様の作風である.
著者の作風として,定着していけばよい...のかな.

Saturday, February 16, 2008

私の男

以下の本を読んだ.

私の男
[単行本]
著者: 桜庭 一樹 (著)
  • 単行本: 381ページ
  • 出版社: 文藝春秋 (2007/10)
  • ISBN-10: 4163264302
  • ISBN-13: 978-4163264301
  • 発売日: 2007/10
  • 商品の寸法: 19 x 13.8 x 2.6 cm
お父さんからは夜の匂いがした。
狂気にみちた愛のもとでは善と悪の境もない。
暗い北の海から逃げてきた父と娘の過去を、美しく力強い筆致で
抉りだす著者の真骨頂『私の男』。...とのこと.

直木賞受賞作品につき,とりあえず,読んでみた.
章立てが現在から過去にさかのぼる構成になっている.
すなわち,2章の終わりから1章のはじめへと続き,3章の終わりから
2章のはじめに続く,というようになっている.
そのため,時系列的には,ほぼ2章分の差が常に発生することになる.
この差が,結構心地よかったりする.
また,それぞれの章のタイトルもなかなか秀逸である.
# 時系列的には,後ろの章から読んでいけばよいことになる.
# 今度,そのようにして読んでみよう.
よって,前の章でのちょっとした出来事,事実が,後の章への
伏線になっている.
かなり強引な出来事もあるが,小説としては,面白い内容である.
# 強引な出来事だらけ?
「親子」の話ということで,結構物議をかもしていたようだが,
読み物としては,普通に楽しめるのではないだろうか.
# それにしても,著者が女の人だったとは...

Thursday, January 24, 2008

ネット未来地図

以下の本を読んだ.

ネット未来地図 ポスト・グーグル時代 20の論点 (文春新書 595) [新書]
著者: 佐々木俊尚 (著)
  • 新書: 224ページ
  • 出版社: 文藝春秋 (2007/10/19)
  • 言語 日本語
  • ISBN-10: 416660595X
  • ISBN-13: 978-4166605958
  • 発売日: 2007/10/19
  • 商品の寸法: 17.2 x 10.8 x 1.2 cm
新聞は消えるか? テレビの未来の形は? 政治も変える?
ネット普及による超情報化・双方向性型社会の、五年後の姿を大胆予測。
ビジネス・レポート作成に必携!...とのこと.

なかなか興味深い内容が書かれている.
WEB2.0 を主導してきた,アマゾンやグーグルの説明など,
まさに,これからのネット社会を生き抜くためには必須の知識.

なかでも,日本のTVの実情には驚かされた.
日本のテレビ局は放送免許が必要であり,その数が圧倒的に限られている.
# チャンネル数が少ない,ということ.
そのため,制作会社は勝手に番組を放送するわけにはいかないので,
結局,制作した番組をテレビ局に売ることでしか収益の道がない.
テレビ局は,巨額のCM費の一部を使い,制作会社から番組を買う.
このようにして,放送免許を持つ数少ないテレビ局は,自分自身では
ほとんど何もすることなく,収益をあげている.
# ありがちな話ではあるが...
すなわち,番組などのコンテンツではなく,それを放送するコンテナが
主導になっている,ということである.
これに対して,アメリカなどでは,チャンネル数が圧倒的に多く,
コンテンツ本位の体制となっている.
日本もこれを見習えばよいのだが,そう簡単ではないらしい.
# 放送免許を独占しているテレビ局が既得権益をそう簡単に
# 手放すはずがない.
しかし,グーグルに代表されるように広告をコンテンツに載せることが
できれば,コンテナ主導の,現在の日本のテレビ局モデルは崩壊する.
# YouTube や HDDレコーダーもあるし.
このようにして,真に競争的に,よい番組が生まれることを期待する.

Tuesday, January 22, 2008

となりのクレーマー

以下の本を読んだ.

となりのクレーマー―「苦情を言う人」との交渉術 (中公新書ラクレ 244) [新書]
著者: 関根 眞一 (著)
  • 新書: 198ページ
  • 出版社: 中央公論新社 (2007/05)
  • ISBN-10: 4121502442
  • ISBN-13: 978-4121502445
  • 発売日: 2007/05
  • 商品の寸法: 17.4 x 10.6 x 1.2 cm
苦情処理のプロが、1300件以上を対応した体験とそこから得た知見から、
相手心理の奥底まで読んで対応する術を一挙に伝授する。イチャモン、
無理難題、 「誠意を見せろ!」、「ふざけるな!」、詐欺師、ヤクザ…
次々登場するクレーマーとのバトルの実例が余りにリアルだ。
こわい、異常だ、はらはらする……で もかなり面白い「人間ドラマ」の数々。
「苦情社会」の到来で、どこにでもいる、誰もがなりうるコマッタ人への対処法を
一冊にした話題作。...とのこと.

アメリカ型に個人の主張が強くなった日本において発生している多くの
苦情,クレームを取り上げた本.
著者の実体験に基づいており,苦情処理の裏側が分かる.
クレームは宝の山,とはそのとおりで,クレームにより店の対応や
商品が改善されたりすることも,最近では多い.
# ので,私もできるだけ正当なクレームは挙げるようにしている.
# でも,たいてい,担当者の対応が大きくものをいうような気がする.
これが度を越すと,コマッタ人になる.
本書には,このコマッタ人がたくさん登場する.
# こうならないように気をつけよう.
対応策としては,結局は,クレームの本質,すなわち,その人が
何を求めているかを,正確に把握することが重要とのことである.
# そのためには,大きな声で恫喝したり,部下を叱りつけたりするらしい...
そのためにも,客を信用することは大事なようである.
「確認できない限りは,客を信じる」
覚えておこう.

Saturday, December 22, 2007

ダイイング・アイ

以下の本を読んだ.

ダイイング・アイ [単行本]
著者: 東野 圭吾 (著)
  • 単行本: 372ページ
  • 出版社: 光文社 (2007/11/20)
  • ISBN-10: 4334925812
  • ISBN-13: 978-4334925819
  • 発売日: 2007/11/20
  • 商品の寸法: 19.2 x 13 x 3 cm
誰もが少しずつ嘘をつき、
誰かを陥れようとしている。
記憶を一部喪失した雨村慎介は、自分が交通事故を
起こした過去を知らされる。
なぜ、そんな重要なことを忘れてしまったのだろう。
事故の状況を調べる慎介だが、以前の自分が何を
考えて行動していたのか、思い出せない。
しかも、関係者が徐々に怪しい動きを見せ始める……。
俺をみつめるマネキンの眼。
そいつは、確かに生きていた。
...とのこと.

相変わらず,創作テンポの速い著者の作品.
でも,書下ろしではなく,1998年から1999年に連載されて
いたものらしい.
著者にしては珍しく,隠れた伏線のない,ミステリー.# ホラー?
# 強いてあげるとすると,身代わりとマネキンの件か.
そのため,個人的には,なんとも消化不良な気がする.
# 感想としては,木内はえらい,成美はどこへ?,といったところか.
全体的には,非常に怖い内容に仕上がっている.
# 違った意味で交通事故には気をつけよう.
それにしても,途中の性描写は必要だろうか?
# 連載だと必要なのだろうか.
ちょっと,不満の残る作品であった.
# それでも,やっぱり,今後に期待.

Tuesday, December 11, 2007

ゴールデンスランバー

以下の本を読んだ.

ゴールデンスランバー
伊坂 幸太郎
  • ハードカバー: 503ページ
  • 出版社: 新潮社 (2007/11/29)
  • ISBN-10: 4104596035
  • ISBN-13: 978-4104596034
  • 発売日: 2007/11/29
  • 商品の寸法: 19.4 x 13.4 x 3 cm
俺はどうなってしまった?
一体何が起こっている?
首相暗殺の濡れ衣を着せられた男は、国家的陰謀から逃げ切れるのか?
二年ぶり千枚の書き下ろし大作。...とのこと.

言わずと知れた伊坂 幸太郎の新作.
久々の長編,さらに書き下ろしということで迷うことなく,早速読んでみた.
作風としては,一般的な感じになっている.
# 魔王とか砂漠とかをもっと一般的にした感じ.
# はじけたキャラクターが少ないからだろうか.
一般的とはいっても,相変わらず,伏線が至るところに張られており
読み返してみても面白い.
いまいち,スタイリッシュさに欠けるような気もするが,熟練度が増したためか,
単純に,娯楽小説に直球勝負を挑んだ結果か.
いずれにしても,著者のエッセンスがちりばめられており,十分に楽しめる.
物語の最後で,主人公がそれぞれの登場人物に直接的,間接的に
接しているところが面白い.
心に残る場面がいくつもあった.
# 痴漢は死ね,信頼,親指,ロック,たいへんよくできました,など
# ところで,稲井氏は帰ってこないのだろうか?

それにしても,映画化,ドラマ化しやすい内容な気がするのは
勘繰り過ぎだろうか?
# 他の作品も映画化が進んでいるようだし.
うれしいような悲しいような複雑な心境...

Monday, December 03, 2007

池袋ウエストゲートパーク

以下の本を読んだ.

池袋ウエストゲートパーク
[文庫]
著者: 石田 衣良 (著)
  • 文庫: 367ページ
  • 出版社: 文芸春秋 (2001/07)
  • ISBN-10: 4167174030
  • ISBN-13: 978-4167174033
  • 発売日: 2001/07
  • 商品の寸法: 15 x 11 x 2 cm
刺す少年、消えた少女、潰し合うギャング団。
今夜も転がり込むトラブルを退屈しのぎに池袋を駆け抜けろ!
躍動する青春ミステリー...とのこと.

オール読物推理小説新人賞を受賞した著者の出世作.
いまさらな気もするが,このシリーズには手を出したことが
なかったので読んでみた.
さすがに文章が巧みであり,非常に軽快な内容であった.
池袋の裏事情についても,よく調査されている?
# どこまでが本当かよく分からないが.
主人公を含め,周りの人物設定もよくできている.
テンポがよく,気軽に読めるので,このシリーズの他の作品も
読んでみよう.

Tuesday, November 13, 2007

サイエンス夜話

以下の本を読んだ.

サイエンス夜話 不思議な科学の世界を語り明かす [サイエンス・アイ新書] [新書]
著者: 竹内 薫 (著), 原田 章夫 (著)
  • 新書: 288ページ
  • 出版社: ソフトバンククリエイティブ (2007/5/16)
  • 言語 日本語
  • ISBN-10: 4797339217
  • ISBN-13: 978-4797339215
  • 発売日: 2007/5/16
  • 商品の寸法: 17.2 x 11.4 x 2.2 cm
文系はなぜ物理が理解できないのかに答える
“文系はなぜ物理が理解できないのか”
文系出身のコピーライター原田章夫の問いに、『99.9%は仮説』
「NEWS ZERO」のキャスター竹内薫がズバリ答える!
相対性理論から超ひも理論、宇宙の誕生、核融合、宇宙・生命の
進化まで、科学・物理の再入門はこの本で!
...とのこと.

科学解説には定評のある竹内氏の本ということで読んでみた.
しかしながら,若干,理解に苦しむ内容であった.
素粒子から宇宙論まで,非常に幅広い内容に対して,
科学が苦手な人向けに,かなり表面的な説明がなされていた.
これだけ幅広い内容の説明は,この本の分量では不可能だろう.
もう少し分野を絞って,深い説明がほしかった.
# もちろん,科学が苦手な人にも分かるように.
今後の作品に関しては...様子見.

Monday, November 05, 2007

バカにならない読書術

以下の本を読んだ.

バカにならない読書術 (朝日新書 72)
[新書]
著者: 養老 孟司/池田 清彦/吉岡 忍 (著)
  • 新書: 248ページ
  • 出版社: 朝日新聞社 (2007/10/12)
  • ISBN-10: 4022731729
  • ISBN-13: 978-4022731722
  • 発売日: 2007/10/12
  • 商品の寸法: 17.2 x 10.8 x 0.8 cm
養老氏の「バカ」シリーズ.
二部構成になっており,前半は養老氏のエッセイ,
後半は養老氏を含む3名による対談となっている.
後半の対談では,それぞれのお勧めの本について
語っている.
しかしながら,ほぼ私とは縁のない本の話題が延々と
続いており,よくもまあこれだけ本を読んでいる,と
感心はできるが,共感はできない内容となっている...
これに対して,前半部分のエッセイには,印象的な
内容がふんだんに盛り込まれている.
地面の固さから学ぶ,日本語は広く脳を使う,読書は
コミュニケーションなどなど.
入力,演算,出力という脳のぐるぐる回しによって,脳の中に
プログラムが形作られていくとのこと.
子供には,元気に外で遊ばせようと思う.

Wednesday, October 24, 2007

高学歴ワーキングプア

以下の本を読んだ.

高学歴ワーキングプア 「フリーター生産工場」としての大学院 (光文社新書) [新書]
著者: 水月 昭道 (著)
  • 新書: 217ページ
  • 出版社: 光文社 (2007/10/16)
  • ISBN-10: 4334034233
  • ISBN-13: 978-4334034238
  • 発売日: 2007/10/16
  • 商品の寸法: 17 x 10.8 x 1.4 cm
大学院重点化というのは、文科省と東大法学部が知恵を出し合って
練りに練った、成長後退期においてなおパイを失わん都執念を燃やす
"既得権維持"のための秘策だったのである。
折しも、九〇年代半ばからの若年労働市場の縮小と重なるという運もあった。
就職難で行き場を失った若者を、大学院につりあげることなど
たやすいことであった。
若者への逆風も、ここでは追い風として吹くこととなった。
成長後退期に入った社会が、我が身を守るために斬り捨てた若者たちを、
これ幸いとすくい上げ、今度はその背中に「よっこらしょ」とおぶさったのが、
大学市場を支配する者たちだった。(本文より)
...とのこと.

大学院の内部状態に関して,よく書かれている本.
漠然と大学院の表面しか知らない人には,衝撃の内容であると思う.
大学の内部にいても,こういうこともあったかと思い知らされる
内容である.
# しかし,大学院重点化とはよくできたシステムである,と
# 改めて感心し,あきれてしまう.
著者が文系の出身のようで,若干,理系の博士とは状況が違う.
しかしながら,あまりにも的を射ていて,これが一般の多くの人の
目に触れていると思うと,...,先行き不安である.

結論的には,博士の学位をとっても,あまりうまみがない世の中で
ある,とのこと.
# 一応,就職以外でのうまみについても若干触れられてはいるが.
# ニートがあふれかえっている世の中で,就職以外のうまみに
# 飛びつく若者はいないだろう.

# すでに大学に就職している身としては,就職できたこと自体が
# 奇跡的であり,よかったとしか言いようがない.
# やっぱり,努力次第でどうにかなるのではないだろうか?
# いや,やっぱり,過信しすぎか?

それでも,学生には進学してもらいたい,と思うのはなぜだろう.
この謎が解ければ,日本の高等教育発展の一助になるのだろう.
# とりあえず,修士の学生は増やしたいものだ.

大学間格差を感じる,今日この頃である.
# 弱い大学は喰われていく運命にある.
# うちの大学は大丈夫だろうか?

Monday, October 22, 2007

あなたはコンピュータを理解していますか?

以下の本を読んだ.

あなたはコンピュータを理解していますか? 10年後、20年後まで必ず役立つ根っこの部分がきっちりわかる! [新書]
著者: 梅津 信幸 (著)
  • 新書: 248ページ
  • 出版社: ソフトバンク クリエイティブ (2007/3/16)
  • ISBN-10: 4797339497
  • ISBN-13: 978-4797339499
  • 発売日: 2007/3/16
  • 商品の寸法: 17.2 x 11.4 x 2.4 cm
「エントロピー」「チャネル」「有限オートマトン」
「メモリ階層と参照の局所性」「インタフェース」など、
情報科学の基礎的な概念を、インスタント味噌汁や
油田のパイプライン、ダンボールで作った自動販売機もどきや
蓄音機、人生ゲームをする神様、カースト制度のピラミッドや
動き回るお坊ちゃまなど、高度な概念を実にふざけた文体と、
とんでもないたとえ話で絶妙に説明します。

一見すると、なんの関係性もなさそうなこれらの目次と、
コンピュータとの間に共通する本質を描き出すことで、
コンピュータと人間との距離をはっきりさせること、
これが本書のゴールとなっています。

これはコンピュータの入門書であると同時に、
それ以上に、
「科学的に考えを進めていくこと」の大切さ
について書かれた読み物として楽しめます。
...とのこと.

結構難しいことを,簡単に説明している本.
例え話がふんだんに登場し,内容の理解に大いに
役立っている.
# でも,エントロピーの塩のたとえは,ちょっと,
# 腑に落ちないかも...
また,自分が常々考えていることと,著者の考えが一致する
ところが多く,非常に共感できる.

機械においては,自然界とは異なる合理的な方法により,
同じことを実現している.
# 飛行機,自動車,etc.
難しいことを難しく説明するのは簡単だが,難しいことを
簡単に説明するのは難しい.
理解するとは,ある物事をさまざまな角度,レベルで
捕らえることである.
# 例え話に集約してみたり,格言などのように一般化してみたり.
これができないのは,理解が足りない証拠である.

内容とともに教訓として,今後の講義にも活かそう.

Sunday, October 21, 2007

最高学府はバカだらけ

以下の本を読んだ.

最高学府はバカだらけ―全入時代の大学「崖っぷち」事情 (光文社新書 318)
著者: 石渡 嶺司 (著)
  • 新書: 254ページ
  • 出版社: 光文社 (2007/09)
  • ISBN-10: 4334034195
  • ISBN-13: 978-4334034191
  • 発売日: 2007/09
  • 商品の寸法: 17.2 x 10.6 x 1.4 cm
大学全入時代をほぼ迎えたいま、私大では定員割れが続出し、
潰れる大学も出てきている。
こうした、世間からそっぽを向かれた「崖っぷち大学」は生き残りに
必至だが、それは、東大や早慶上智、関関同立といった難関大と
いえども他人事ではない。
どの大学も受験生集めのためにあらゆる手を尽くしている。
ところ が、その内容は----AO入試で辞退さえしなければ誰でも合格、
就職率や大学基本情報の非公表・偽装、イメージをよくするために
大学名を改名(秋田経済 法科大からノースアジア大へ)、新しいことを
学べる新学部を設立(シティライフ学部や21世紀アジア学部を新設)などなど、
世間の常識と大いにズレてい て、どこかアホっぽいのだ。
本書では、こうした大学業界の最新「裏」事情と各大学の生き残り戦略を、
具体例をふんだんに交えながら紹介していく。
...とのこと.

大学教育に携わる者としては,目に余るところもあるが,内容的には,
当たらずとも遠からず,といったところである.
学生の質の低下であるとか,大学の妙な改革,中途半端な情報開示に
関しては周知のとおりであるが,最終章の「科学反応」の内容が気になった.
しかしながら,やはりきちんとした解決策は示されていなかった.
大学内外,学年を問わない交流から,化学反応が生まれることも
あるようである.
そういった意味では,うちの大学は,化学反応が期待できるかもしれない.
面倒見のよい教員として,がんばるしかない...かな.