Friday, November 24, 2006

山下清

先日,「山下清展」に行ってきた.
「放浪の天才画家」,「日本のゴッホ」として知られる
貼り絵で有名な画家である.
幼少のころから,晩年に至るまでの数多くの作品が
展示してあり,非常に興味深かった.
彼が放浪をしていたのは,19歳から34歳ころまでで,
断続的に日本各地を旅していたようである.
そして,この放浪した先々での風景が,作品として
数多く残されている.
そして,驚くべきことに,これらの作品は,旅先で作成したものではなく,
34歳に旅を終え,自宅(養護施設?)に戻ってから,
作成したものらしい.
もちろん,写真等は普及していない時代なので,多少のスケッチが
あったにしても,天才的な記憶能力である.
実際,作品と実際の景色とは寸分に違わないらしい.
# 子供のころに,大病を患って,言語障害になったらしい...んだな.
# きっと,これが影響してる..んだな.

貼り絵だけでなく,油絵やフェルトペンによる作品もあった.
油絵は日本のゴッホと呼ばれるにふさわしく,ゴッホ調,すなわち,
細かい点で構成される作品であった.
# ちぎり絵の,あの細かい作業を得意とする彼なら当然の作品.
よって,油絵もすばらしいのだが,あまり作品数は多くない.
油絵の絵の具が乾くのを待てなかったとか.
フェルトペンによる作品も,彼の記憶力を持ってすれば,造作も無いこと
だったようだ.
# 普通,絵には,書き直しや強弱がきかないので,フェルトペンは
# 使われないらしい.

貼り絵はやはり秀逸である.
小学校高学年ころからの 伸び は驚異的である.
# ちなみに,当初は,言語障害が原因でいじめにあい,人間不信から
# 人物画はほとんど作成されていないらしい.
特に,白の使い方が絶品.
# 下地の白を生かしたり,違う色の白を重ねたり.
年を重ねるにつれ,作品が洗練され,ちぎりの細かさは,ほとんど常人には
考えられないほどになっている.
# いったい,どれくらいの時間がかかるのだろう...

晩年には,ヨーロッパを旅したようだ.
そして,実際にゴッホの絵も見ている.
# 天才は天才を知る,的なコメントがあった.
# 詳細は...失念...

作品を鑑賞しているあいだ,どうしても 芦屋雁之助 の顔がちらついた.
# 芦屋雁之助の方が本物に見えてしまう...
# 「裸の大将放浪記」が懐かしい.
# 再放送を切に望むが,あの内容だと差別的な観点(?)から
# 現在の放送は無理そう...

非常に充実した一日であった.

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