Monday, November 16, 2009

自己プロデュース力

以下の本を読んだ.

自己プロデュース力
島田 紳助
  • 単行本: 125ページ
  • 出版社: ワニブックス (2009/9/1)
  • 言語 日本語
  • ISBN-10: 4847018192
  • ISBN-13: 978-4847018190
  • 発売日: 2009/9/1
  • 商品の寸法: 18 x 11.6 x 1.4 cm
初めて明かす成功の秘訣。本当は教えたくない勝利の方程式。
同期には華のある天才・明石家さんま、正統派漫才の第一人者・
オール阪神・巨人。
僕の人生、「あいつには敵わない」の連続だった 。
誰もが驚嘆した死に物狂いの「努力」、あらゆる分野に
共通する緻密な「分析」の方法。
この世の中はすべて才能。
しかし、努力の仕方さえしればトップに立つことができる。
「あんまり言いたくない『極秘の話』がひとつだけあるんです。
…僕もそんなに先が長いわけじゃないし。教えようか」
数々の事業を成功させ、自らのプロデュースで“羞恥心”など、
社会現象を巻き起こした島田紳助が、これまでの人生を、
勝利の方程式を、惜しまず語り尽した、すべての人たちに贈る、
人生論の決定版、遂に刊行!!
...とのこと.

言わずと知れた,島田 紳助 の著書につき,読んでみた.
# 正確には,DVD で話した内容を活字化したものらしいが.
他のお笑い界の大御所同様,天才の一人かと思ったが,
努力により,現在の地位を確立しているらしい.
しかも,それが偶然ではなく,緻密な分析によるもので
あることを,自らが証明すべく,いろいろな事業を
展開しているらしい.
# お金の問題ではないらしい.でも,だいぶ儲けているものと
# 思うが.
負ける戦はしない,など,少し極端ではあるが,すごい戦略だ.
テレビで売れる企業秘密も,確かにうなずける.
心で覚えるとは,脳科学で言うところの,意味記憶ではなく,
エピソード記憶で覚えると言うことか.
才能は,生まれながらのものに依存するが,努力は身につく.
5の筋力があれば,他の分野でも役に立つ.
自分の能力 X と時代 Y を踏まえる.
など,確かに緻密な分析結果が示されている.
しかしながら,漫才の潮時を感じ取ったり,そもそも島田洋七の
システムをパクる,というか,システムに気づくこと自体,
やはり,常人ではないだろう.
ここに書かれていることを実践できる人がどれくらい
いるものか.
芸能界以外では通用しない部分もあるが,できる範囲で,
実践してみよう.

Monday, November 09, 2009

漫才ギャング

以下の本を読んだ.

漫才ギャング
品川 ヒロシ
  • 単行本: 368ページ
  • 出版社: リトル・モア (2009/9/18)
  • 言語 日本語
  • ISBN-10: 4898152732
  • ISBN-13: 978-4898152737
  • 発売日: 2009/9/18
  • 商品の寸法: 19.2 x 13.2 x 1.8 cm
『ドロップ』の品川ヒロシ、
前作『ドロップ』を凌ぐ3年ぶりの書き下ろし長編、
ついに発売!!
売れない芸人・飛夫と、札つきの不良・龍平一。
ワケありの二人が留置場で出会いコンビを組んだ!
ストリートを舞台に、笑いに命を賭けた男たちの姿を
描いた超弩級エンタテイメント作品!
...とのこと.

前作「ドロップ」がそれなりに面白かったので
読んでみた.
芸人の実態に焦点を当てた作品.
これに,不良の要素が加わっている.
前作からそうだが,文章はしっかりしていて読みやすい.
漫才のような掛け合いのやりとりの記述には,笑ってしまった.
ストーリーついても,実際の芸人ならではの経験が生かされている
ところもあり,感心するところが多い.
途中,結婚,謝金返済の件や元の相方に譲るところなど,
もうひとひねりほしい箇所が散見された.
それでも,伏線がうまく張ってあり,それなりに楽しめる.
# 特に,小淵川,シャアデブ,後に龍平と活躍していることだろう.
不良小説のジャンルも確立されつつあるので,この調子で
今後に期待したい.

Sunday, November 08, 2009

トリガー

以下の本を読んだ.

トリガー
板倉 俊之 (インパルス)
  • 単行本(ソフトカバー): 328ページ
  • 出版社: リトル・モア (2009/6/29)
  • 言語 日本語
  • ISBN-10: 4898152708
  • ISBN-13: 978-4898152706
  • 発売日: 2009/6/29
  • 商品の寸法: 19 x 13.2 x 2.2 cm
インパルス・板倉俊之、怒濤の書き下ろし、初小説!
2028年、射殺許可法下の日本――。
拳銃ベレッタを手に、トリガーが「悪」を裁く!
疾走する、近未来ハードボイルド誕生!
カバーイラストは、高橋ツトム 描き下ろし!
...とのこと.

インパルス・板倉の初小説ということで読んでみた.
射殺許可法により,拳銃による射殺が認められた
トリガーにまつわる物語.
各都道府県に1人ずつ配置されているトリガーが
章ごとに数人登場する.
拳銃やバイクの記述は,それなりに詳しい.
しかしながら,至る所に,ツッコミどころが満載である.
まず,トリガーの発想自体が,非常に陳腐であり,
設定に無理がありすぎる.
これだけでも致命傷だが,そのトリガーに簡単に
入れ替わることができたり,射殺後の処理が不明だったり,
そもそも周りの人間の関わり方がとうてい想定できず,
任期終了後の立場が不明だったり,仮に大前提を認めたとしても,
細かい穴が多すぎる.
それでいて,伏線のようなものも存在するが,これも
稚拙と言わざるを得ない.
# 国王と刑事,トリガーの刑事
また,たまに小説っぽい表現が出てくるのも鼻につく.
いずれにしても,素人っぽさ満載の作品であった.
# プリズントリックに合わせて述べると,志が低く,額が小さく,
# それでいて,細部に穴が目立つ...
本業の方で,がんばってもらおう.

Sunday, November 01, 2009

プリズン・トリック

以下の本を読んだ.

プリズン・トリック
遠藤 武文
  • 単行本: 328ページ
  • 出版社: 講談社 (2009/8/7)
  • ISBN-10: 4062157063
  • ISBN-13: 978-4062157063
  • 発売日: 2009/8/7
  • 商品の寸法: 19 x 13.6 x 3.4 cm
刑務所で密室殺人―乱歩賞史上最強トリック
交通刑務所で発見された前へ倣え姿の遺体。
現場は密室――逃走した受刑者を追う県警が知る意外な事実。
選考委員・東野圭吾氏も仰天の第55回江戸川乱歩賞受賞作

刑務所内での密室殺人。社会派でありながら超本格。
読み落としていい箇所はラスト一行までどこにもない。
あなたは絶対に鉄壁のトリックを見破れない。
そして必ず、二度読む。第55回江戸川乱歩賞受賞作。
...とのこと.

江戸川乱歩賞受賞作につき,読んでみた.
# 読み落としていい箇所はラスト一行までどこにもない,とか
# 絶対にトリックは見破れない,必ず,二度読む,とかは
# さすがに誇張しすぎ.
前へならえ姿の遺体,がどんなものかと思ったが,
最後の章に詳しい説明があり,納得できた.
倉庫に人が隠れるスペースがあったり,着替えさせることにまで
考えが至るなど,それなりに説得力があった.
また,刑務所内の細かな説明など,新しく知る内容であった.
# よくぞ,これだけ調べたものだ.
上記も含め,伏線がちりばめられており,それなりに楽しめた.
# 倉庫,人,いす,南京錠,SDカード,金接
総評にもあるとおり,中盤などの細かい設定における不整合が
いくつか散見された.
# どうやって,轢かせたのだろう?
それでも,楽しめる作品であった.
# これが「志が高い」ということか.
登場人物が,ちょっと多いのも気になった.
# 刑務官野田や中島は必要ない?
それでも,これらの話を入れるのも,志の高さによるものらしい.
最後の一行が,大どんでん返しのようだが,ストーカーのあたりから
だいぶ,オチが見えていた.
# このあたりが,東野圭吾には遠く及ばない.
それでも,確かにのびしろを感じさせる作品であった.
今後に期待.