Wednesday, June 24, 2009

数学の考え方

以下の本を読んだ.

数学の考え方 (講談社現代新書 15)
矢野 健太郎 (著)
  • 新書: 278ページ
  • 出版社: 講談社 (1964/08)
  • ISBN-10: 406115415X
  • ISBN-13: 978-4061154155
  • 発売日: 1964/08
  • 商品の寸法: 17.2 x 10.6 x 1.8 cm
数学には、私たち人類の長いあいだの貴重な経験が集積されている。
数学の歴史を、細かい計算や技巧の歴史としてではなく、考え方の歴史、
思想の歴史としてふり返るとき、人間の豊かな知恵の結晶した新しい
数学の世界が開けてくる。
本書は、数学の歴史の転回期に現われたいろいろな考え方を具体的に
紹介し、現代数学の思想を興味深く解明する。
...とのこと.

ターレスの発見やピタゴラスの定理,ギリシアの三大難問,0 の発見,など
大きな話題が比較的,平易に書かれている.
細かいところでは,指を使う計算,エジプトの分数での計算,ブール代数と
スイッチ,など興味深い内容であった.

それにしても,昔の人は賢い.
それを,数百円で購入し,気軽に読めるとは,なんと贅沢なことか.

Tuesday, June 23, 2009

数学の学び方・教え方

以下の本を読んだ.

数学の学び方・教え方 (岩波新書 青版 822)
遠山 啓 (著)
  • 新書: 200ページ
  • 出版社: 岩波書店 (1972/01)
  • ISBN-10: 4004160073
  • ISBN-13: 978-4004160076
  • 発売日: 1972/01
  • 商品の寸法: 17.4 x 10.6 x 1 cm
結構古い本.
数学の正しい教科書を目指して書かれたらしい.
よって,数の考え方そのものから,順序立てて説明されている.
量と数の違いなどには,感心させられた.
英語においては,one,two,...と first, second, ... というように
集合数と順序数が分かれているのに対して,日本語においては,
1,2,3,...と一緒であり,明確な区別がない.
また,0 の概念,足し算,掛け算の教え方の順番や,非ユークリッド幾何学の
話など,非常に考えさせられる内容だった.
このあたりを考えて,数学を学ぶ,教えれば,立派な人間が育つだろう.
やはり,詰め込み教育はよくない.

Monday, June 22, 2009

子どもに教えたくなる算数

以下の本を読んだ.

子どもに教えたくなる算数 (講談社現代新書)
栗田 哲也 (著)
  • 新書: 254ページ
  • 出版社: 講談社 (2003/08)
  • ISBN-10: 4061496794
  • ISBN-13: 978-4061496798
  • 発売日: 2003/08
  • 商品の寸法: 17.2 x 10.8 x 1.6 cm
難しくなる一方の受験算数もこれでわかる!
数学へ発展する本当の実力をつけるための良問を厳選。
対話形式で問題を解きながら、お父さんの算数力がめきめきアップ。
教え方のツボもわかって、子どもも伸びる

『必勝の時間攻略法』(講談社現代新書)の吉田たかよし氏絶賛!
算数の本質と面白さのド真ん中を見事に射抜いている。
子どもだけでなく、大人の脳も進化させる名著だ。
...とのこと.

中学入試を控えた娘を持つA氏に著者が教えるというストーリーで
進んでいく本.
魔方陣,暗算(掛け算の意味),数列の和(三角数),実験して法則を
見つける(フィボナッチ数列),鶴亀算(加重平均),単純な事実
(楕円形,センターラインの法則)など,面白い話題が多かった.
子どもが大きくなったら,一緒に考えればよいのかな.

Sunday, June 21, 2009

幾何物語

以下の本を読んだ.

幾何物語―現代幾何学の不思議な世界 (ちくま学芸文庫)
瀬山 士郎 (著)
  • 文庫: 204ページ
  • 出版社: 筑摩書房 (2007/12/10)
  • ISBN-10: 4480091262
  • ISBN-13: 978-4480091260
  • 発売日: 2007/12/10
  • 商品の寸法: 14.4 x 10.6 x 1.6 cm
三角形や四角形、円がおりなす美しい性質や思いがけない不思議さは
古くからファンを魅了してきた。
また厳密な証明の学習材料としてとりあげられてもきた。
そのユークリッド幾何学は幾度もの転換を経て、いまや現代幾何学へと
大きな変貌をとげたが、そこにはどのような物語があったのか。
ヒルベルトの幾何学基礎論、クラインのエルランゲン目録、
非ユークリッド幾何学、トポロジーなど、学校幾何では触れられなかった
話題がさりげなくひもとかれる。
手を使い、作図し証明しながら、幾何のおもしろさにひたりつつ、
そのもう少し先までを案内してくれる、現代数学から読み解いた
幾何学再入門。 ...とのこと.

ギリシアの三大問題の作図に始まり,その証明,ピタゴラスの定理,
平行線の公理,非ユークリッド幾何学などの話題が満載.
作図と代数の関係,各種証明,球面上の三角形などの非ユークリッド幾何学など
興味深い内容であった.
逆に,トポロジー,トーラスの話は少し難しかった.

Saturday, June 20, 2009

やさしい微積分

以下の本を読んだ.

やさしい微積分 (ちくま学芸文庫)
L.S. ポントリャーギン (著), L.S. Pontryagin (原著), 坂本 實 (翻訳)
  • 文庫: 182ページ
  • 出版社: 筑摩書房 (2008/8/6)
  • ISBN-10: 4480091491
  • ISBN-13: 978-4480091499
  • 発売日: 2008/8/6
  • 商品の寸法: 14.6 x 10.6 x 1 cm
「本は入念に書けば書くほど薄くなり、それだけ書くための労力が大きくなる。
おおざっぱに言って、著者が綿密さを2倍にすれば、本の厚さは半分になる。」
こう語る全盲の数学者ポントリャーギン。コンパクトな本書にも著者の配慮が
至るところ払われている。
直観的なイメージを足がかりにしつつ、巧みな計算術で公式をよどみなく導き出す。
導関数に始まり三角関数、指数・対数関数まで、微積分のエッセンスが
凝縮された王道を丁寧に解説、版を重ねて読み継がれる定番の入門教科書。
練習問題・解答付きで独習にも最適。
...とのこと.

最近,訳あって数学関係の本をいろいろ読んでおり,その一環で読んでみた.
微積分の内容が丁寧に書かれており,まさに,教科書のような内容.
基本的な事項ではあるが,忘れたら読み返してみよう.
また,内容もさることながら,著者の「著者が綿密さを2倍にすれば、
本の厚さは半分になる。」との信念には脱帽.
わかりやすい文章を書くよう,心がけよう.

Sunday, June 07, 2009

一勝九敗

以下の本を読んだ.

一勝九敗 (新潮文庫) [文庫]
柳井 正(著)
  • 文庫: 274ページ
  • 出版社: 新潮社 (2006/03)
  • ISBN-10: 4101284512
  • ISBN-13: 978-4101284514
  • 発売日: 2006/03
  • 商品の寸法: 15 x 10.6 x 1.2 cm
豪胆な父とは対照的に内気な息子・柳井正は、大学卒業後、
家業の紳士服店を継いだ。
やがて店をカジュアルウエアのトップ企業「ユニクロ」へと
急成長させるまでには、数々の失敗の歴史があった。
株式上場、急成長、業績低迷の実態に率直に触れつつ、
高品質の衣料を低価格で売る秘訣、広告代理店任せにしない宣伝戦略、
透明性の高い人事など、独自の経営哲学を惜しみなく公開する。
...とのこと.

最近,ユニクロづいていることもあり(?)読んでみた.
著者の歴史,努力を綴った,ある意味,日記のような内容.
# 実際,ユニクロオープンから20年が経ち,会社経営の原点である
# 理念や方針を書き留めておくことに意味がある時期に書かれたもので
# あるらしい.
独自の経営哲学を惜しみなく公開とのことだが,まだまだ
隠していることがあるだろう.
# そのまま実践しても,普通の人ではうまくいかない.
# それをやるのが達人か.
書いてある内容は至極まっとうである.
自分はたいした能力は持っておらず,優秀な人たちに多く入ってもらい
それにより,うまく経営できているらしい.
自分は,自分を客観的に見ることができるところが,優れていると
本人が言っているとおり,これは,非常に特殊な,優れた能力で
あると思われる.
また,失敗をそのままにしないで,きちんと分析し,次に生かすなど
なかなかできそうでできない.
すべてを含めて,経営を軌道に乗せた著者は,やはり常人ではない.
それにしても,内容がすんなりと飲み込めないのは,なぜだろう.
# 非常に正論が書かれているはずだが.
# 著者のキャラクターが影響か.
できるところから,参考にさせてもらおう.
# とりあえず,ユニクロの服は,今後も買うだろう.