Thursday, February 17, 2011

きことわ

以下の本を読んだ.

きことわ
朝吹 真理子
  • 単行本: 141ページ
  • 出版社: 新潮社 (2011/1/26)
  • ISBN-10: 4103284625
  • ISBN-13: 978-4103284628
  • 発売日: 2011/1/26
  • 商品の寸法: 19 x 12.4 x 2 cm
永遠子は夢をみる。貴子は夢をみない。
葉山の高台にある別荘で、幼い日をともに過ごした貴子と永遠子。
ある夏、突然断ち切られたふたりの親密な時間が、25年後、
別荘の解体を前にして、ふたたび流れはじめる―。
第144回芥川賞受賞。
...とのこと.

芥川賞受賞作につき,読んでみた.
時間と場所が交錯しながら,物語(?)が進んでいく.
よって,誰のどこでのいつの話なのかが,明らかにされずに
話が進んでいく.
よって,非常に分かりにくいが,これが文学なのだろう.
そして,そのように感じさせる力を著者は持っている.
# 家系による影響も大きいものと思うが.
# とにかく,サラブレッドだな.
# まだ読んでいないが,苦役列車とは真逆だな.

物語と書いたが,人物の回想が多く,その心情が描写されている.
実際の物語としては,貴子家の別荘の解体のため,その管理人の
娘であった永遠子と再会し,その別荘を片付ける話.
25年ぶりの再会であり,その間に起こったこともいくつか語られている.
# やはり25年は長いな.

キーワード:大百足,油壺マリンパーク,向日葵,きんきだいの干物,髪の毛

なんとも芥川賞らしい作品であった..

Wednesday, February 02, 2011

KAGEROU

以下の本を読んだ.

KAGEROU
齋藤 智裕
  • 単行本: 236ページ
  • 出版社: ポプラ社 (2010/12/15)
  • 言語 日本語
  • ISBN-10: 459112245X
  • ISBN-13: 978-4591122457
  • 発売日: 2010/12/15
  • 商品の寸法: 19 x 13.2 x 2.6 cm
第5回ポプラ社小説大賞受賞作。『KAGEROU』―儚く不確かなもの。
廃墟と化したデパートの屋上遊園地のフェンス。
「かげろう」のような己の人生を閉じようとする、絶望を抱えた男。
そこに突如現れた不気味に冷笑する黒服の男。
命の十字路で二人は、ある契約を交わす。
肉体と魂を分かつものとは何か?人を人たらしめているものは何か?
深い苦悩を抱え、主人公は終末の場所へと向かう。
そこで、彼は一つの儚き「命」と出逢い、かつて抱いたことのない
愛することの切なさを知る。
水嶋ヒロの処女作、哀切かつ峻烈な「命」の物語。
...とのこと.

話題作につき,読んでみた.
そんなにひどい内容ではないとは思ったが,良くも悪くもとにかく
軽い 作品であった.
文章表現自体は,結構しっかりしている.
しかしながら,全体の構成,話の展開など,広い視野では中途半端感が
否めない.
# よって,さすがに,何をもって,ポプラ社小説大賞としたのかは
# 疑問符がつく...
# この賞自体にも傷がつきそうな気が...
それでも,移植された手や少女の心臓,脳移植,人工心臓のハンドルなどには
おもしろみを感じられた.
あとは,ヤシロやデパートの屋上,防空壕の件などはもっとふくらませても
よかったかもしれない.

命がテーマと言うのでどんなに重たい作品かと思ったら,なんと軽いことか.
# 映像化はたやすそうだが.
著者の今後はどうなるかな.

Tuesday, February 01, 2011

結果を出し続けるために

以下の本を読んだ.

結果を出し続けるために (ツキ、プレッシャー、ミスを味方にする法則)
羽生 善治
  • 単行本(ソフトカバー): 216ページ
  • 出版社: 日本実業出版社 (2010/11/26)
  • 言語 日本語
  • ISBN-10: 4534047789
  • ISBN-13: 978-4534047786
  • 発売日: 2010/11/26
  • 商品の寸法: 18.8 x 13.2 x 2 cm
人は、普通に続けられることしか続かない。
思考を進化・深化させるために大切な3つのこと。
変化が激しい時代の実力の磨き方。
...とのこと.
# 詳細は後述.

羽生氏の近著につき,読んでみた.
ツキ,プレッシャー,ミスを,結果を左右する大きな
要素として解説している.

しかし,その前に第1章として,努力を結果に結びつけるために,
題されて,書かれている内容も興味深い.
客観的な視点で不調を見分ける,人から言われた言葉の感じ方,
もう一息の努力が結果につながる,など.

●ツキ
次の一手は,直感,読み,大局観
# 経験により大局観は増す.
最後は,玲瓏な状態で主観に頼る.
知識を知恵に高めるには,自分の頭で考えるしかない.

●プレッシャー
リラックス,楽しむ,集中
プレッシャーは八合目まで来ている証拠
起こった感情を直接表現せず,ワンクッション入れる.
結果を100%受け止めてから次に進む.# これが結構難しいわけだが.
結果より大事なのは,自分にとっての価値

●ミス
大きなミス,盲点に入ったミスは忘却する.
ミスへの対処は,現在に集中 # 過去を振り返るのは終わった後
反省はしても後悔はしない.
変化は必要だが,ギャンブルはしない.# 特に不利な時
苦手なものは必ずついて回る # 苦手を避けるな!
覚悟を持って,リスクを取る.
# リスクを取らないと前に進めない.10年後に正しい保証はない.
# 無謀すぎないように,小出しで取る,失敗の覚悟を持つ,
# 結果だけでなく納得できる,時代や環境も考慮

最後に,自ら変化を生み出し,流れに乗っていくために.
自分が属している環境は大事.
人は,普通に続けられることしか続けられない.
# 非常に奥が深い言葉だ.胸に刻もう.
一人一人の影響力は想像以上に大きい.
情報や知識は自分で料理,現在進行形の充実感.

などなど,心の支えにしよう.

以下,詳細.
◇頂点を極めて、今なおトップを走り続ける羽生名人による
「思考を進化・深化させるために大切な3つのこと」
18歳での竜王位奪取、25歳での史上初の七冠達成以降も、
40歳になった現在、19年連続・王座をはじめ、永世六冠保持(全七冠中)など、
結果を出し続けている自在の棋士・羽生善治名人。
本書では、閉塞感の強い、先行きの不透明な時代を切り拓いていくためにも、
究極の「考える仕事」である将棋棋士として、20年以上トップを
走り続けて培った、3つの秘訣を明かす。
羽生名人は、思考を進化・深化させるためにも、
1ツキと運にとらわれない最善手の決め方、
2プレッシャーとの付き合い方、
3ミスへの対応の仕方、
が大切だと語る。
早くから「天才」と言われた羽生名人だが、円熟期を迎えたからこそ感じる、
単なる勝負一辺倒の結果論ではなく、周囲との調和も視野に入れた、
「1人ひとりの持つ可能性は想像以上に大きい」というメッセージが根底にある
◇仕事、日常生活で名人の思考プロセスを活かす
本書のコンセプトは、羽生名人の思考プロセスを平易な言葉でつづられ、
だれにでも再現できるところにある。
「次の一手の決断プロセス」「不調の見分け方」「ミスをしたときの五つの対処法」
「無謀でない、リスクの取り方」をはじめとする勝負で大切なことから、
「最高のパフォーマンスを発揮するために」「集中するために」
「才能とモチベーション」「成功とは何か?」など日常でどういう風にすごしたらよいか、
などたくさんのヒントが詰まっている。