Saturday, March 31, 2012

サラの柔らかな香車

以下の本を読んだ.

サラの柔らかな香車
橋本 長道
  • 単行本: 232ページ
  • 出版社: 集英社 (2012/2/3)
  • 言語 日本語
  • ISBN-10: 4087714411
  • ISBN-13: 978-4087714418
  • 発売日: 2012/2/3
  • 商品の寸法: 19 x 14 x 2.6 cm
プロ棋士の夢が破れた男と、金髪碧眼の不思議な美少女が出会う。
彼女に将棋を教えるといつしか奇跡的な才能が開花する…。
「天才とは何か?」厳しくも豊かな勝負の世界を生き生きと描き出す快作。
第24回小説すばる新人賞受賞作。
...とのこと.

将棋を題材とした作品につき,何となく読んでみた.
女流名人と主人公である青い目の少女における戦いの時間軸上に
彼女たちにまつわるエピソードが入ってくる.
解説者,少女を育てた元棋士,女流名人にあこがれた少女,など多彩.
ある意味英才教育を受けたブラジルから来た少女は,将棋の一手一手に
におい,イメージを感じる.
この少女との戦いに敗れた女流名人は,失明もあり,将棋をやめる
覚悟をするも,それでも,続行を決意する.
少女は,女流ではに名人を目指すことを「将棋にかつ」という単純な
ことばで宣言する.
これで物語は基本的に終了なのだが,感想戦として書かれている内容が
また,おもしろい.
少女時代に駆け出しであった青い目の少女に,小学校女子名人戦で敗れ,
女流棋士の夢をあきらめた少女が再登場.
夢をあきらめたように見えたが,陰ではネット将棋で腕を磨いており,
青い目の少女に対抗しようとしていた!
学園祭では青い目の少女に負けた(?)ようだが,改めて,女流ではない
棋士を目指す,と宣言し,物語を締めくくっている.
# 今後の展開も期待できそうだな.

Monday, March 12, 2012

文明の子

以下の本を読んだ.

文明の子
太田 光
  • 単行本: 312ページ
  • 出版社: ダイヤモンド社 (2012/1/20)
  • 言語 日本語
  • ISBN-10: 4478017719
  • ISBN-13: 978-4478017715
  • 発売日: 2012/1/20
  • 商品の寸法: 19 x 13.8 x 3 cm
地球、そして地球とは別の進化を成し遂げた星の過去と未来に秘められた謎。
新たな文明へと踏み出すために動き始めた子供たち。
果たして人類の行く末は生か死か? 絡み合うパラレルワールドが
紡ぎ出す壮大な物語! 
斬新なスタイルで描かれる太田光、渾身の書き下ろし小説。
...とのこと.

太田氏の最新作につき,読んでみた.
# マボロシの鳥に続く2作目.

地球と,これに似たパラレルワールドが舞台.
超短編が続き,これらが,複雑に絡まり合う.
# 短編ごとのリンクが不明なところもあるが...
# 注意深く読むと,分かるのかな?
途中には,科学的な話や政治の話も盛り込まれている.
# 爆笑問題の面目躍如といったところか.
不明な点もあるが,著者がいろいろと考えていることは分かる.
# 処女作よりは分かりやすいかな.
# 鳥が好きなのかな.ちょっと安直な気もするが...
次回作にも期待しよう.

Sunday, March 11, 2012

朝日新聞縮刷版 東日本大震災

以下の本を読んだ.

朝日新聞縮刷版 東日本大震災 特別紙面集成2011.3.11~4.12
朝日新聞社
  • 単行本: 704ページ
  • 出版社: 朝日新聞出版 (2011/5/18)
  • ISBN-10: 402100906X
  • ISBN-13: 978-4021009068
  • 発売日: 2011/5/18
  • 商品の寸法: 28.6 x 21.4 x 2.9 cm
マグニチュード9.0、巨大な津波、「世界最悪」の原発事故……。
2万数千人の犠牲者・行方不明者を出した東日本大震災は、
日本の歴史の転換点となった。
朝日新聞の3月12日朝刊~4月12日夕刊の震災関連紙面に加え、
大地震当日の号外を実物大付録で、翌々日の号外をカラー口絵で収録。
内容やジャンルによって多角的に記事を探し出せる詳細な索引も付けた。
悲劇を心に刻み、復興へと歩み出すための「永久保存版」基礎資料。
“歴史の転換点”1カ月の全報道。未曾有のマグニチュード9.0、巨大津波、
「世界最悪」原発事故…後世に遺す660ページ。
永久保存版とじ込み付録:3月11日号外実物大カラー。

永久保存版につき,読んでみた.
# 読んでみた,といっても,当然,ざっと見ただけだが.
東日本大震災の記録.
# 実際に,一応,被災したものとして,持っておきたい一冊.
当時の記憶がよみがえる.
# 実際には,このころの新聞を読んでいないので,やはり貴重だ.
随時,目にして,風化させないようにしよう.

Saturday, March 10, 2012

歪笑小説

以下の本を読んだ.

歪笑小説 (集英社文庫)
東野 圭吾
  • 文庫: 360ページ
  • 出版社: 集英社 (2012/1/20)
  • 言語 日本語
  • ISBN-10: 4087467848
  • ISBN-13: 978-4087467840
  • 発売日: 2012/1/20
  • 商品の寸法: 15.2 x 10.6 x 2.2 cm
東野圭吾、いきなり文庫で登場!

新人編集者が初めての作家接待ゴルフで目の当たりにした、”伝説の編集者”の
仕事ぶりとは。
単発のドラマ化企画の話に舞い上がる、若手作家・熱海圭介のはしゃぎっぷり。
文壇ゴルフに初めて参加した若手有望株の作家・唐傘ザンゲのさんざんな一日。
会社を辞めて小説家を目指す石橋堅一は、新人賞の最終候補に選ばれたは
いいが・・・・・・。
小説業界の内幕を暴露!!作家と編集者、そして周囲を取りまく、ひと癖ある人々の
ドラマが楽しめる、全12話の連続東野劇場。
新人編集者が目の当たりにした、常識破りのあの手この手を連発する伝説の編集者。
自作のドラマ化話に舞い上がり、美人担当者に恋心を抱く、全く売れない若手作家。
出版社のゴルフコンペに初参加して大物作家に翻弄されるヒット作症候群の新鋭…
俳優、読者、書店、家族を巻き込んで作家の身近は事件がいっぱい。
ブラックな笑い満載!
小説業界の内幕を描く連続ドラマ。とっておきの文庫オリジナル。
...とのこと.

言わずと知れた東野氏の新作につき,読んでみた.
いきなり文庫ということで,他の○笑小説とともに購入.
# 白銀ジャックがいきなり文庫の走りなのだな.

小説業界の内幕がおもしろおかしく書かれている.
半分(以上)が真実なのだろう.
それぞれが数十ページごとに基本的に独立しており,読みやすい.
それぞれにリンクも張られているが,これがなくても理解できる.
伝説の編集長や運だけ(?)で実力が伴わない作家,才能が開花しそうな作家,など.
# 才能が開花しそうな作家は,結婚に向け収入を含む今後の予定を客観的に
# 分析しているところなどは,著者自身のことか.

さっと読めて,非常に面白い.
他の作品も読んでみよう.
# それにしても,いきなり文庫は読者としては,低価格で読めるのでよいが,
# 著者としては,印税が減るから大変らしいな...

Sunday, March 04, 2012

大津波、原発事故、復興への歩み

以下の本を読んだ.

大津波、原発事故、復興への歩み 震災1年全記録
朝日新聞社
  • 単行本: 160ページ
  • 出版社: 朝日新聞出版 (2012/2/17)
  • 言語 日本語
  • ISBN-10: 4022509341
  • ISBN-13: 978-4022509345
  • 発売日: 2012/2/17
  • 商品の寸法: 29.4 x 22 x 1.4 cm
東日本大震災と福島第一原発事故から1年、朝日新聞の報道写真、記事、
グラフィックを集大成した。
被災地の定点観測、子どもたちのその後など、カメラマンが追い続けた
復興への歩みを克明に記録。
「平成大津波」の発掘写真、長大な浸水域を示す8ページにわたる大鳥瞰図や、
「史上最悪級」原発事故の1年後の総括と蓄積汚染マップなど、
グラフィックも充実している。
巻末には、亡くなった方1万5000人超のお名前(2012年1月末公表分)を
掲載した。
震災1カ月の動きを緊急出版した『報道写真全記録2011.3.11-4.11 
東日本大震災』とともに、平成の大災害を後世に語り継ぐための永久保存版。
...とのこと.

一応,被災者の1人として,まさに永久保存版につき,読んでみた.
直接的な知人は被害に遭っていないが,写真や記事を見ると,
胸が締め付けられる.
目をそらさずに受け入れていこう.

Friday, March 02, 2012

盤上のアルファ

以下の本を読んだ.

盤上のアルファ
塩田 武士
  • 単行本: 274ページ
  • 出版社: 講談社 (2011/1/6)
  • 言語 日本語
  • ISBN-10: 406216597X
  • ISBN-13: 978-4062165976
  • 発売日: 2011/1/6
  • 商品の寸法: 19 x 13.8 x 2.8 cm
選考会満場一致! 最強の受賞作、登場! 
屈折した新聞記者が、偶然出会った将棋指しの大それた野望に、
まったくの成り行きでつきあうことに。
個性豊かな人物たちが織りなすおかしくて熱い人生逆転物語!
真田信繁三十三歳。家なし、職なし、目標・プロ棋士。
とてつもなく迷惑な男が巻き起こすかつてなく熱い感動の物語。
第五回小説現代長編新人賞選考会満場一致の完全受賞作。
...とのこと.

何となく,将棋に関連した作品につき,読んでみた.
いい年をしたプロ棋士を目指す男と,これにつきあわされる
新聞記者の物語.
新聞記者の話から始まる.
事件記者から囲碁将棋担当への顛末.
その後,タンクトップを着た棋士の話になる.
悲惨な人生を歩んできた.傍らには将棋があった.
# ここでのタンクトップ,借金取りも見事な伏線に.
そして,2人が小料理屋で出会う.
ここの女将の差し金で,記者の家で,3人での奇妙な共同生活が始まる.
# この女将がなんと!
共同生活だが,記者の思惑とは裏腹に,女将との仲は進展せず,
棋士は勝手なことを始める.
# 研究仲間やその犬など
記者は,疎ましく思いながらも,この環境にどこか居心地のよさを覚え,
最終的には,これを記事することを必然に思うくらい,傾倒していく.
# はっきり言うと,棋士に惚れ込んでいる.絶対に認めないだろうが.
途中に登場する,女流棋士,真剣師,年長記者,先輩棋士,など
個性豊かな登場人物が脇を固める.
最終的には,何とか編入試験で6勝を修め,三段リーグが始まるところで
終わっている.
三段リーグでの戦いぶりも見てみたいものだ.
# そのほかにも,いろいろなスピンオフが考えられそうだ.
なかなかに楽しめた.
# 文体も読みやすく,また,一言多いところが笑えた.
他の作品も読んでみよう.
# 他著者の他の将棋の本も読んでみよう.