Saturday, May 18, 2013

これはペンです

以下の本を読んだ.

これはペンです
円城 塔

  • 単行本: 173ページ
  • 出版社: 新潮社 (2011/9/30)
  • ISBN-10: 4103311614
  • ISBN-13: 978-4103311614
  • 発売日: 2011/9/30
  • 商品パッケージの寸法: 19.2 x 13.6 x 2.6 cm

叔父は文字だ。文字通り――。文章の自動生成装置を発明した叔父と、存在しない街の鮮明な記憶を持つ父。書くこと、読むことの根源を照らし出す双子の物語。 文章の自動生成装置を発明し、突飛な素材で自在に文章を生み出す叔父と、その姪の物語「これはペンです」(芥川賞候補作)。存在しない街を克明に幻視し、現実・夢・記憶の世界を行き来する父と、その息子を描く「良い夜を持っている」。書くこと、読むことの根源を照らし出し、言葉と人々を包み込む2つの物語。 ...とのこと.

芥川賞候補作につき読んでみた. 表題作ともう一編が収録されている. 文章の自動生成装置を巡る物語. だが,著者の作品らしく,これも音を楽しむ物語(かな). 一応,読んだが,(私のレベルでは)理解不能. 覚悟はしていたものの残念. # よって,もう一編の方も手つかずで断念... # たまには,こういうこともあるな...

Friday, May 17, 2013

夢幻花

以下の本を読んだ.

夢幻花
東野 圭吾

  • 単行本(ソフトカバー): 371ページ
  • 出版社: PHP研究所 (2013/4/18)
  • 言語 日本語
  • ISBN-10: 456981154X
  • ISBN-13: 978-4569811543
  • 発売日: 2013/4/18
  • 商品パッケージの寸法: 18.6 x 13 x 2.8 cm

黄色いアサガオだけは追いかけるな―。この世に存在しないはずの花をめぐり、驚愕の真相が明らかになる長編ミステリ。 とのこと.

東野氏の近著につき,読んでみた. # 相変わらず創作テンポが早いな. 現在は存在しない(はずの)黄色いアサガオに関する物語. # 江戸時代には存在しており,そこから着想したらしい. 自殺したいとこの原因を探る梨乃,この自殺に関係する黄色いアサガオを保護(?)する蒲生(兄), 彼を追ってきた梨乃に協力する蒲生(弟). 梨乃と蒲生(弟)を中心に話が進む. 梨乃が訪れてからしばらくして殺される祖父,蒲生(弟)の初恋(?)の相手がキーポイント. 相変わらず,良くできた作品であった.

Saturday, May 11, 2013

ガソリン生活

以下の本を読んだ.

ガソリン生活
伊坂 幸太郎

  • 単行本: 413ページ
  • 出版社: 朝日新聞出版 (2013/3/7)
  • 言語 日本語
  • ISBN-10: 4022510625
  • ISBN-13: 978-4022510624
  • 発売日: 2013/3/7
  • 商品パッケージの寸法: 19 x 13.4 x 2.8 cm

大学生の望月良夫は愛車のデミオ運転中に、 偶然会った女優の翠を目的地へ送り届けることに。 だが翌日、翠は事故死する。 本当に事故だったのか? 良夫とその弟で大人びた小学5年生の亨は、 翠を追いかけ回していた芸能記者・玉田と知り合い、事件に首を突っ込み始める。 姉、母まで望月一家が巻き込まれて、謎は広がるばかり――。 朝日新聞夕刊の人気連載が待望の単行本化。 物語の語り手はなんと本邦初! ?の「車」。 町を走る様々な車たちの楽しいおしゃべりが全編にさんざめく、 前代未聞のユーモアミステリーにして、 のんきな長男・大人びた弟…と個性的なキャラが揃った家族の暖かいエピソードに溢れた、 チャーミングで愛すべき長編家族小説! 実のところ、日々、車同士は排出ガスの届く距離で会話している。本作語り手デミオの持ち主・望月家は、母兄姉弟の四人家族(ただし一番大人なのは弟)。兄・良夫がある女性を愛車デミオに乗せた日から物語は始まる。強面の芸能記者。不倫の噂。脅迫と、いじめの影―?大小の謎に、仲良し望月ファミリーは巻き込まれて、さあ大変。凸凹コンビの望月兄弟が巻き込まれたのは元女優とパパラッチの追走事故でした―。謎がひしめく会心の長編ミステリーにして幸福感の結晶たる、チャーミングな家族小説。 ...とのこと.

伊坂氏の近著につき,読んでみた. # といっても新聞連載時にひととおり読んでいるが. 車が主人公の物語. 緑のデミオを中心に話が進む. 隣の古いカローラGTもよく登場. 車を生かした表現やガンダム語録,多作品の人物などがたまに出てきて興味深い. なんとなくハッピーエンド(かな.) というわけで,おしまい.

Friday, May 10, 2013

等伯

以下の本を読んだ.

等伯 〈上〉
等伯 〈下〉
安部 龍太郎

  • 単行本: 350ページ
  • 出版社: 日本経済新聞出版社 (2012/9/15)
  • ISBN-10: 453217113X
  • ISBN-13: 978-4532171131
  • 発売日: 2012/9/15
  • 商品パッケージの寸法: 19.2 x 13.8 x 3.2 cm

第148回直木賞受賞! 都に出て天下一の絵師になる――武家から養家に出された能登の絵仏師・長谷川信春の強い想いが、戦国の世にあって次々と悲劇を呼ぶ。身近な者の死、戦乱の殺戮……それでも真実を見るのが絵師。その焦熱の道はどこへ。 誰も見たことのない絵を―狩野派との暗闘、心の師・千利休の自刃、秀吉の世に台頭する長谷川派を次々と襲う悲劇。亡き者たちを背負い、おのれの画境に向かう。とこしえの真善美、等伯がたどりついた境地。 ...とのこと.

直木賞受賞作につき,読んでみた. 上下巻からなる力作. # 700ページあまりか. 武家から養子に出た絵師が大活躍. 戦国の世において,危険を冒して,京を目指す. 途中の敵や財政難なども乗り越え,絵師の道を歩む. 後半の狩野派との暗闘も見逃せない. 兄,夕姫との確執がありつつ,静子,清子を始め,周りの人の助けで松林図の境地に至る. 骨太な作品であった.