ネット未来地図 ポスト・グーグル時代 20の論点 (文春新書 595) [新書]
著者: 佐々木俊尚 (著)
- 新書: 224ページ
- 出版社: 文藝春秋 (2007/10/19)
- 言語 日本語
- ISBN-10: 416660595X
- ISBN-13: 978-4166605958
- 発売日: 2007/10/19
- 商品の寸法: 17.2 x 10.8 x 1.2 cm
ネット普及による超情報化・双方向性型社会の、五年後の姿を大胆予測。
ビジネス・レポート作成に必携!...とのこと.
なかなか興味深い内容が書かれている.
WEB2.0 を主導してきた,アマゾンやグーグルの説明など,
まさに,これからのネット社会を生き抜くためには必須の知識.
なかでも,日本のTVの実情には驚かされた.
日本のテレビ局は放送免許が必要であり,その数が圧倒的に限られている.
# チャンネル数が少ない,ということ.
そのため,制作会社は勝手に番組を放送するわけにはいかないので,
結局,制作した番組をテレビ局に売ることでしか収益の道がない.
テレビ局は,巨額のCM費の一部を使い,制作会社から番組を買う.
このようにして,放送免許を持つ数少ないテレビ局は,自分自身では
ほとんど何もすることなく,収益をあげている.
# ありがちな話ではあるが...
すなわち,番組などのコンテンツではなく,それを放送するコンテナが
主導になっている,ということである.
これに対して,アメリカなどでは,チャンネル数が圧倒的に多く,
コンテンツ本位の体制となっている.
日本もこれを見習えばよいのだが,そう簡単ではないらしい.
# 放送免許を独占しているテレビ局が既得権益をそう簡単に
# 手放すはずがない.
しかし,グーグルに代表されるように広告をコンテンツに載せることが
できれば,コンテナ主導の,現在の日本のテレビ局モデルは崩壊する.
# YouTube や HDDレコーダーもあるし.
このようにして,真に競争的に,よい番組が生まれることを期待する.