Friday, February 29, 2008

脳研究の最前線(上巻)

以下の本を読んだ.

脳研究の最前線(上巻) (ブル-バックス)
理化学研究所脳科学総合研究センター
  • 単行本: 347ページ
  • 出版社: 講談社 (2007/10/19)
  • ISBN-10: 4062575701
  • ISBN-13: 978-4062575706
  • 発売日: 2007/10/19
  • 商品の寸法: 17.4 x 11.6 x 2.2 cm
若干,脳研究に携わっていることもあり,新しく刊行されたので
読んでみた.
最近のさまざまな研究動向が,各章ごとに説明されている.
上下巻からなる上巻であり,各章のタイトルは以下のとおり.
1.脳のシステム
2.脳の進化と心の誕生
3.知性の起源―未来を創る手と脳のしくみ
4.言語の起源と脳の進化
5.脳はどのように認知するか
6.脳はどのように情報を伝えるのか

遺伝子レベル,脳細胞,それらのネットワーク,さらには,それとは逆に,
言語の起源からと,さまざまな角度から脳研究の内容が語られている.
非常に内容が濃く,非常に...難解である...
必要に応じて,読み直そう.

Sunday, February 17, 2008

ワンちゃん

以下の本を読んだ.

ワンちゃん
楊 逸
  • 単行本: 146ページ
  • 出版社: 文芸春秋 (2008/01)
  • ISBN-10: 4163268804
  • ISBN-13: 978-4163268804
  • 発売日: 2008/01
  • 商品の寸法: 19.2 x 13.6 x 2 cm

「王愛勤」ことワンちゃんは、名前のとおりの働きもの。
女好きの前夫に愛想をつかし、見合いで四国の旦那のもとへ。
姑の面倒をみながら、独身男たちを中国へ連れていき、
お見合いツアーを仕切るのだ-。...とのこと.

中国人作家として初の芥川賞候補となった作品.
候補作とは別の1本も収録されている.

見合い結婚により,日本に来た中国人の物語.
主人公の心情が,中国の情勢を含めた彼女を取り巻く環境などとともに,
こまかく描かれている.
...が,日本語での描写能力が不足しているといわざるを得ない.
# 話題性はあるが,芥川賞受賞には,ほど遠いような気がする.

もう一本の作品も,同様の作風である.
著者の作風として,定着していけばよい...のかな.

Saturday, February 16, 2008

私の男

以下の本を読んだ.

私の男
[単行本]
著者: 桜庭 一樹 (著)
  • 単行本: 381ページ
  • 出版社: 文藝春秋 (2007/10)
  • ISBN-10: 4163264302
  • ISBN-13: 978-4163264301
  • 発売日: 2007/10
  • 商品の寸法: 19 x 13.8 x 2.6 cm
お父さんからは夜の匂いがした。
狂気にみちた愛のもとでは善と悪の境もない。
暗い北の海から逃げてきた父と娘の過去を、美しく力強い筆致で
抉りだす著者の真骨頂『私の男』。...とのこと.

直木賞受賞作品につき,とりあえず,読んでみた.
章立てが現在から過去にさかのぼる構成になっている.
すなわち,2章の終わりから1章のはじめへと続き,3章の終わりから
2章のはじめに続く,というようになっている.
そのため,時系列的には,ほぼ2章分の差が常に発生することになる.
この差が,結構心地よかったりする.
また,それぞれの章のタイトルもなかなか秀逸である.
# 時系列的には,後ろの章から読んでいけばよいことになる.
# 今度,そのようにして読んでみよう.
よって,前の章でのちょっとした出来事,事実が,後の章への
伏線になっている.
かなり強引な出来事もあるが,小説としては,面白い内容である.
# 強引な出来事だらけ?
「親子」の話ということで,結構物議をかもしていたようだが,
読み物としては,普通に楽しめるのではないだろうか.
# それにしても,著者が女の人だったとは...