Sunday, November 28, 2010

都合のいい「うつ」

以下の本を読んだ.

都合のいい「うつ」(祥伝社新書212)
上野 玲
  • 新書: 248ページ
  • 出版社: 祥伝社 (2010/9/1)
  • ISBN-10: 4396112122
  • ISBN-13: 978-4396112127
  • 発売日: 2010/9/1
  • 商品の寸法: 17.2 x 10.8 x 1.4 cm
勤務中は憂鬱で仕事が手につかないが、勤務時間外には個人的な趣味や
交際に打ち込める。
なかには、治療専念を理由にして、診断書持参で三カ月以上の休暇を申し出る。
そんな社員が急増中。
いわゆる「新型うつ」である。職場仲間からしてみれば、わがままか、
個人主義の暴走にしか思えない。
いかにも「都合のいい病」に映ってしまう。
「新型うつ」は本当に、うつなのだろうか?それとも新種の病か?
しかし、大多数の精神科医は、これを従来のうつが変容したものと決めつけ、
従来と同じ治療法で押し通してきた。
自ら、うつを発症しながら、うつ治療現場の最前線を長らく取材してきた著者が、
その総決算として世に問う一冊。
...とのこと.

学生への指導の兼ね合いもあり,読んでみた.
文字通り,新型うつに関する本.

その名前からは,従来型うつが変容したものが新型うつのように思われる.
しかしながら,実際には,従来のうつと新型うつは,まったくの別物と
考えた方が良いとのこと.
香山リカ氏への強い反論や,個人的な対人,対企業への鬱憤も述べられている.
# 本当に書く必要があったのだろうか.
# 少なくとも,端から見るとちょっとしたクレーマーだな.
新型うつへの決定的な対処法は述べられていないが,とりあえず,
基準を明確に示せばよいのだな.
あとは,大きな企業に属し,休職制度を利用できるからこそ,新型うつに
なるとのこと.
よって,小さな企業や個人事業者は,当然,新型うつになりえない,
なっている場合ではないとのこと.
結局は,精神論かな.

でも,自己肯定感を育てるのと相反するな.
今後も考えていこう.

Thursday, November 18, 2010

ぼくらの就活戦記

以下の本を読んだ.

ぼくらの就活戦記 (文春新書)
森 健
  • 新書: 288ページ
  • 出版社: 文藝春秋 (2010/10/19)
  • ISBN-10: 4166607758
  • ISBN-13: 978-4166607754
  • 発売日: 2010/10/19
  • 商品の寸法: 17.6 x 11 x 2 cm
JTB、JR東海、伊藤忠、明治製菓、電通…人気企業15社の
内定者が語るエントリーシートの書き方、自己分析の意味、面接必勝法。
有名大学出身でも就職できない人もいれば、人気企業の内定を
複数勝ち取る人もいる。
いったいこの差はどこから生じるのか。本書では40人の内定者に
徹底取材すると同時に企業側の採用担当者にもインタビュー。
内定のメカニズムがついに解明される。
...とのこと.

学生指導の参考のため,読んでみた.
内定のメカニズムについては,ぜんぜん解明されていないが,各人気企業の
内定者の話と企業側の話が書かれた本.
当然ながら,すべて内定した人の話なので,企業側の話を総合してはいるが,
結果論からなら何とでも言える.
# 実際,そんなに企業研究していなくても内定していたり,一方で綿密に
# 戦略を立てている人もいる.
# 当然,戦略を立てつつ,落ちていった人が大多数を占めるのだろう.

とりあえずは,みんな,自分で考えて動いていることが共通点か.
素の自分を出して,それでも落ちるような会社であれば,もととも縁がなかったと
考える.
逆に,面接時に猫をかぶって内定を得た場合,入社後につらくなるだけ.
などなど.

その他,賛同できない部分もあるが,必要に応じて参考にしよう.
# と,いうか,学生本人がこういうのを読むかどうか,だな.

Wednesday, November 10, 2010

マリアビートル

以下の本を読んだ.

マリアビートル
伊坂 幸太郎
  • 単行本: 465ページ
  • 出版社: 角川書店(角川グループパブリッシング) (2010/9/23)
  • ISBN-10: 4048741055
  • ISBN-13: 978-4048741057
  • 発売日: 2010/9/23
  • 商品の寸法: 19 x 13.6 x 2.6 cm
元殺し屋の「木村」は、幼い息子に重傷を負わせた相手に復讐するため、
東京発盛岡行きの東北新幹線“はやて”に乗り込む。狡猾な中学生「王子」。
腕利きの二人組「蜜柑」&「檸檬」。ツキのない殺し屋「七尾」。
彼らもそれぞれの思惑のもとに同じ新幹線に乗り込み―物騒な奴らが
再びやって来た。
『グラスホッパー』に続く、殺し屋たちの狂想曲。3年ぶりの書き下ろし長編。
...とのこと.

伊坂氏,久々の書き下ろしにつき,迷うことなく読んでみた.
グラスホッパーに続く,殺し屋の話.

殺し屋の話だが,殺し屋ではない人物も登場.
元殺し屋の木村,その親,親戚の繁とあさがお,蜜柑と檸檬,中学生の王子,
ツキのない天道虫らが活躍.
# 塾講師の鈴木も

蜜柑と檸檬の関係には泣かされた.
# トーマス君のシール,コインロッカーの件など.
# なかなかいい関係であった.

他にも,スーパーマーケットの抽選券,暴発する拳銃,キャッシュカード,
へび,電光掲示板,など,
以前の伊坂氏であれば,間違いなく伏線となるであろう仕掛けが満載.
# そこをあえてしないところが,今の伊坂氏.

# ところで,鈴木,あさがお,スズメバチ,は,あの,鈴木とあさがおと
# スズメバチだな.

相変わらず,面白い作品であった.
はやてに乗ったら,ゴミ箱の横を確認してみよう.