Tuesday, December 14, 2010

知っておきたい 情報社会の安全知識

以下の本を読んだ.

知っておきたい 情報社会の安全知識 (岩波ジュニア新書)
坂井 修一
  • 新書: 224ページ
  • 出版社: 岩波書店 (2010/3/20)
  • 言語 日本語
  • ISBN-10: 4005006493
  • ISBN-13: 978-4005006496
  • 発売日: 2010/3/20
  • 商品の寸法: 17.4 x 10.8 x 1.5 cm
コンピュータやインターネットの発展は、高度な情報社会をつくりあげる一方で、
かつてない事件や事故を引き起こす存在にもなっている。
ITを基盤とした情報社会を、どうしたらより安心・安全にできるのか。
また私たちの対策は何か。
そのために必要な知識を、現実におきている事例をとりあげて、
ていねいに解説する。
...とのこと.

ジュニア新書ではあるが,確認のため,読んでみた.
IT の基本が平易な言葉で書かれた本.

前半部分では,IT の基本的な説明がなされている.
コンピュータの基本は「数」であり,その処理速度は交通手段などとは
比較にならないほど,向上してきている.
# bit を数で表しているのは分かりやすい.
# ノイマン型コンピュータの本質も突いているな.
IT はベストエフォートにより成り立っている.
などなど,うまいこと説明されている.

後半部分では,これに精神論(?)が加わる.
少し文系の知見から,教養を身につける必要がある,とのこと.
# 確かにそのとおりだとは思うが,ドストエフスキーの悪霊を
# 勧めているのはすごい.

今後も気を抜かずに,情報化社会とつきあっていこう.

Wednesday, December 01, 2010

ロボットとの付き合い方、おしえます。

以下の本を読んだ.

ロボットとの付き合い方、おしえます。 (14歳の世渡り術)
瀬名 秀明
  • 単行本(ソフトカバー): 237ページ
  • 出版社: 河出書房新社 (2010/10/19)
  • ISBN-10: 430961664X
  • ISBN-13: 978-4309616643
  • 発売日: 2010/10/19
  • 商品の寸法: 19 x 13 x 2.4 cm
ロボットは現実と空想の世界が螺旋階段のように共に発展を遂げた、
科学技術分野でも珍しい存在。
宇宙探査から介護の現場、認知発達ロボティクス……
ロボットを知り、人間の未来を考える一冊。
それは「人間とは何か」を知る近道だ。
宇宙探査、災害救助から介護の現場まで、人気SF作家が最先端のロボット研究を
通して、未来への関わりかたを一緒に考えます。
...とのこと.

瀬名氏の近著であり,内容的にも興味があったので,読んでみた.
著者がハルを執筆したときに行ったロボット調査の延長線上であり,
著者の見解がうまくまとめられている.
ロボットを考えるとは,人間の未来を考えること.
コミュニケーションにおける3つのフェーズ,真理へと至る対話,合意へと至る対話,
終わらない対話,が大事とのこと.
自動車などに当てはめると,技術で担保するもの,社会的な合意で決めるもの,
安全性とは何か考え続けること,などと解釈できる.
# すばらしい.
なお,ロボットの実体が大事であるや人間とロボットの違いについて考えた時の
モヤモヤした感じが大事など,非常に興味深い.
また,BMIからヒューマンエンハンスメントなどの見解は,ジェフ・ホーキンスの
それにも通ずる.
さらに,人とロボットが協調して作業する,ロボットはさまざまな分野を結びつける,
アニメや漫画のクリエーターの仕事は未来にフラッグをたてること,なども面白い.
アラン・ケイ曰く「未来を考える最良の方法は,それを発明してしまうことである.」
工学的に実現していこう.