Thursday, March 08, 2007

社会的ジレンマ

以下の本を読んだ.
# 兄のブログにあったので,なんとなく.

社会的ジレンマ―「環境破壊」から「いじめ」まで
山岸 俊男
  • 単行本(ソフトカバー): 227ページ
  • 出版社: PHP研究所 (2000/06)
  • ISBN-10: 4569611745
  • ISBN-13: 978-4569611747
違法駐車、いじめ、環境破壊等々、「自分一人ぐらいは」という心理が集団全体に
とっての不利益を引き起こす社会的ジレンマ問題。
数々の実験から、人間は常 に「利己的」で「かしこい」行動をとるわけではなく、
多くの場合、「みんながするなら」という原理で動くことが分かってきた。
この「みんなが」原理こそ、 人間が社会環境に適応するために進化させた
「本当のかしこさ」ではないかと著者は考える。
これからの社会や教育を考える上で重要なヒントを与えてくれるユ ニークな論考。

なんとなく感覚的に分かっていることが,活字として説明されている.
# とはいえ,ある程度実験結果もあり,それなりに証明されている...
# のだが,条件付の実験ばかりで説得力に欠ける.
# いかにも文系的な内容...別に悪いわけではないが.
囚人のジレンマやアメとムチ,コミットメント問題,4枚カード問題,限界質量などが
分かりやすく説明されている.
# 別名,「みんなが」原理,「えびで鯛」の原理,など.
# ちなみに,最近の若い人は鯛よりもえびを好む傾向にあるため,
# えびの方が高級であると判断し,このことわざが成立しないんだとか.
感情でコミットメント問題が解消できるとか,アメとムチの麻薬性とか,
ウランの核反応に利用される限界質量の話などは,非常に興味深い.

でも,やっぱり,社会的ジレンマの本質的な解決策は示されていない...

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