Monday, March 17, 2008

犬身

以下の本を読んだ.

犬身
松浦 理英子
  • 単行本: 512ページ
  • 出版社: 朝日新聞社 (2007/10/5)
  • ISBN-10: 4022503351
  • ISBN-13: 978-4022503350
  • 発売日: 2007/10/5
  • 商品の寸法: 19 x 13.2 x 4.2 cm
あの人の犬になりたい。
そして、人間では辿り着くことのできない、心の深みに飛び込んで行きたい。
「自分は犬である」と夢想してきた房恵が、思いをよせる 女性の飼い犬となるため、
謎のバーテンダーと魂の契約を交わす。
ところが、飼い主の家族たちは決定的に崩壊していた。
オスの仔犬となった「フサ」は、彼女 を守ることができるのか?
『親指Pの修業時代』から14年。
今、新たに切り開かれる魂とセクシュアリティ。...とのこと.

本著者の作品ははじめて読んだ.
ふれこみにあるとおり,単純に,好きな人の犬となり,その人との生活について
書かれているものと思っていた.
しかしながら,実際には,まったく思惑が外れた.

犬の目線からの物語であるのは当然だが,その飼い主を取り巻く環境,および
それに対する,犬ならではの関わり方など,非常に奥深い内容であった.
契約を交わして犬になるなど,明らかに現実離れしている.
しかしながら,その不自然さを感じさせない,著者の筆力,および,犬好きさには
感心させられる.
途中のストーリーがあまりにも自然であるがため,終わり方に若干物足りなさが
感じられた.
結構,満足度が高かったので,他の作品も読んでみよう.

# 朱尾は,本当はいい人?

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