Friday, November 07, 2008

聖女の救済

以下の本を読んだ.
聖女の救済[単行本] 
東野 圭吾
  • 単行本: 384ページ
  • 出版社: 文藝春秋 (2008/10/23)
  • ISBN-10: 4163276106
  • ISBN-13: 978-4163276106
  • 発売日: 2008/10/23
  • 商品の寸法: 19 x 13.8 x 2.2 cm
「これは完全犯罪だ」 男が自宅で毒殺されたとき、離婚を
切り出されていた妻には鉄壁のアリバイがあった。
草薙刑事は美貌の妻に魅かれ、毒物混入方法は不明のまま。
湯川が推理した真相は…虚数解。「ガリレオ」情念の長篇。...とのこと.

東野氏,2冊同時刊行の長編の方.
短編の方と同様,こちらにも,容疑者x までは登場しなかった
内海薫が登場し,活躍している.
今回の物語は,「女」がキーワードであることからも,重要な役割を
担っている.
# テレビ以上に明晰.
今回も緻密なトリックが描かれており,読みながら自分で謎解きを
してみる楽しみもある.
しかしながら,読みながらこのトリックを予想できた人はいないだろう.
# 今回のトリックは,何もしないことだから.
虚数解に対応付けるのもちょっと無理がある気もする.
# なお,科学的なトリックは,あまりなかったが,それは置いておこう.
# 他にも,そんな作品はあったはず.
しかしながら,最後の謎解き部分は,非常に奥が深いものであった.
# 主人公の心情を考えると特に.
# まさに,救済 なわけだ.
密かに主人公に惹かれていた草薙が,犯行の決め手を持っていたところも
非常に興味深い.
短編シリーズの方が人気が高いようだが,容疑者x 同様,長編も面白いと
思う.
続編にも期待しよう.
# さらに,テレビ,映画化もされるのだろうか.

Thursday, November 06, 2008

ガリレオの苦悩

以下の本を読んだ.

ガリレオの苦悩[単行本] 
東野 圭吾
  • 単行本: 344ページ
  • 出版社: 文藝春秋 (2008/10/23)
  • ISBN-10: 4163276203
  • ISBN-13: 978-4163276205
  • 発売日: 2008/10/23
  • 商品の寸法: 19 x 13.8 x 2.6 cm
「悪魔の手」と名乗る者から、警察と湯川に挑戦状が届く。
事故に見せかけて殺人を犯しているという彼に、天才科学者・
湯川が立ち向かう 。...とのこと.

言わずと知れた東野氏の新作.
# というよりも,もうすでに,テレビ,映画で,ガリレオシリーズとしての
# 方が有名か.
2作同時刊行の1つであり,5つの短編からなる.
# 第1章 落下る,第2章 操縦る,第3章 密室る,第4章 指標す,
# 第5章 攪乱す

第1章に,新人刑事内海薫がはじめて登場する.
# この時点で,柴咲コウ の顔しか浮かばなくなる.
# 同様に,湯川学 についても,福山雅治の顔しか思い浮かばない.
# 探偵ガリレオ,予知夢を読んでいたときは,福山雅治とは
# 似ても似つかないイメージを持っていたはずだが.
# 当然,容疑者xの献身でも... と,いうか,容疑者x は,まったく,
# 湯川学は主人公ではないだろ,というツッコミはいたるところで
# 起こっていることだろう.
# ドラマ化の良し悪しを端的に表している例だ.

第1章,第2章は,先日,テレビ放送されていたものの原作のようだ.
各章に,工学出身の作者らしい,相変わらずの巧みなトリックが登場する.
それにも関わらず,各物語が,そのトリック一辺倒になっていないところが
素晴らしい.
# このあたりは,予知夢に近い感じか.
# でも前作2つを組み合わせて,さらに発展させた感じ.
# 作者のポテンシャルの高さを感じさせる.

今後も読み続けよう.
# 相変わらず,創作のテンポが速い作者だ.

Wednesday, November 05, 2008

モダンタイムス

以下の本を読んだ.
モダンタイムス (Morning NOVELS)[単行本] 
伊坂 幸太郎
  • 単行本: 540ページ
  • 出版社: 講談社 (2008/10/15)
  • ISBN-10: 4062150735
  • ISBN-13: 978-4062150736
  • 発売日: 2008/10/15
  • 商品の寸法: 19.2 x 14.2 x 3.4 cm
言わずと知れた,伊坂氏の新作.
さっそく,読んでみた.

設定は,魔王からさらに数十年後.
検索から監視がはじまる,物語.
# ありえなくもないが,やはり,設定が若干突飛かな.
魔王に登場した,マスター(緒方),安藤兄弟やその能力に,
それなりのつながりはあるものの,独立した物語として
十分読める.
# でも,確認のため,あとで魔王も読み返してみた.
# やっぱり,そんなに強いつながりはないようだ.
# それなら,千葉も登場させればよいのに.
ゴールデンスランバーの流れを組む,娯楽小説.
雑誌で連載されていたこともあり,結構ふつうの小説に
仕上がっている.
内容,および,はしばしに出てくるセリフは,あいかわらず,
スタイリッシュであり,十分楽しめる.
# 結局,奥さんが最強...正体は一体...
しかしながら,やはり書き下ろしの伊坂ワールド全開の
作品を読みたい,と願うのは,私だけではないだろう.
# ラッシュライフ,グラスホッパーのような,ある意味
# ぐちゃぐちゃな作品を切に希望.