Sunday, November 01, 2009

プリズン・トリック

以下の本を読んだ.

プリズン・トリック
遠藤 武文
  • 単行本: 328ページ
  • 出版社: 講談社 (2009/8/7)
  • ISBN-10: 4062157063
  • ISBN-13: 978-4062157063
  • 発売日: 2009/8/7
  • 商品の寸法: 19 x 13.6 x 3.4 cm
刑務所で密室殺人―乱歩賞史上最強トリック
交通刑務所で発見された前へ倣え姿の遺体。
現場は密室――逃走した受刑者を追う県警が知る意外な事実。
選考委員・東野圭吾氏も仰天の第55回江戸川乱歩賞受賞作

刑務所内での密室殺人。社会派でありながら超本格。
読み落としていい箇所はラスト一行までどこにもない。
あなたは絶対に鉄壁のトリックを見破れない。
そして必ず、二度読む。第55回江戸川乱歩賞受賞作。
...とのこと.

江戸川乱歩賞受賞作につき,読んでみた.
# 読み落としていい箇所はラスト一行までどこにもない,とか
# 絶対にトリックは見破れない,必ず,二度読む,とかは
# さすがに誇張しすぎ.
前へならえ姿の遺体,がどんなものかと思ったが,
最後の章に詳しい説明があり,納得できた.
倉庫に人が隠れるスペースがあったり,着替えさせることにまで
考えが至るなど,それなりに説得力があった.
また,刑務所内の細かな説明など,新しく知る内容であった.
# よくぞ,これだけ調べたものだ.
上記も含め,伏線がちりばめられており,それなりに楽しめた.
# 倉庫,人,いす,南京錠,SDカード,金接
総評にもあるとおり,中盤などの細かい設定における不整合が
いくつか散見された.
# どうやって,轢かせたのだろう?
それでも,楽しめる作品であった.
# これが「志が高い」ということか.
登場人物が,ちょっと多いのも気になった.
# 刑務官野田や中島は必要ない?
それでも,これらの話を入れるのも,志の高さによるものらしい.
最後の一行が,大どんでん返しのようだが,ストーカーのあたりから
だいぶ,オチが見えていた.
# このあたりが,東野圭吾には遠く及ばない.
それでも,確かにのびしろを感じさせる作品であった.
今後に期待.

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