Friday, December 04, 2009

SOSの猿

以下の本を読んだ.

SOSの猿
伊坂 幸太郎
  • 単行本: 292ページ
  • 出版社: 中央公論新社 (2009/11/26)
  • ISBN-10: 4120040801
  • ISBN-13: 978-4120040801
  • 発売日: 2009/11/26
  • 商品の寸法: 19.4 x 12.8 x 2.6 cm
ひきこもりの青年の「悪魔祓い」を依頼された男と、一瞬にして
300億円を損失した株誤発注事故の原因を調査する男。
そして、斉天大聖・孫悟空ーー。物語は、彼らがつくる。
伊坂幸太郎最新長編小説。

言わずと知れた著者の最新作につき,読んでみた.
引きこもりの青年の話と,株誤発注事故の原因を調査する男の話が
交互に進んでいき,最後に,孫悟空を通してつながる(?)物語.
つながる部分は「あっ」と思わせたが,他には昔のような
仰天の大どんでん返しはない.
# 残念ではあるが,仕方がないか.
# 本人も,今後の作品では,書きたいものを書き,伏線は
# 張らないと断言しているようだし...
# 橋爪と轢かれたコンビニ店員,などはつながっているのか.
また,若干,現実の株を調査する男の設定が曖昧な気がした.
# 青年の話に出てくる男に惑わされている?
# ヨーロッパの災害や守銭奴な叔父の話も落ちていないような気が.
創作であっても,物語が誰かを救うということで,もっとも
本質をついているのは,結局,「雁子さん」になるのだろうか.
# なお,途中に出てくる,怪物とかハエの件は,最近のはやり
# だろうか.

昔のスタイリッシュさ,軽快なテンポはないが,その分,重みが増し,
小説らしくなったということだろうか.
# ちょっと,残念ではあるが.
やはり,可能であれば,昔の作風を期待する.

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