Sunday, March 14, 2010

理系のための人生設計ガイド

以下の本を読んだ.

理系のための人生設計ガイド
坪田 一男
  • 新書: 256ページ
  • 出版社: 講談社 (2008/4/22)
  • 言語 日本語
  • ISBN-10: 4062575965
  • ISBN-13: 978-4062575966
  • 発売日: 2008/4/22
  • 商品の寸法: 17.4 x 11.6 x 1.8 cm
誰も書けなかった「研究人生の全ノウハウ」
経済的に自立し、留学し、教授のポストを得て、業績を向上させ、
会社を作り、最後にはノーベル賞を狙う……。
研究者として成功するためのノウハウが赤裸々に!
質の高い研究を続けて、研究者人生で成功するには、
若いうちから準備を進めていくほうがいい。
経済的に自立し、留学し、業績を向上させ、公募をパスし、
教授のポストを得て、会社を作り、ごきげんな人生を送る…。
誰も明かさなかった研究人生で成功するための全ノウハウをホンネで
説明する。...とのこと.

タイトルの通り,理系のための人生設計ガイド.
基本的には能力が高い,その反面,オタクっぽい理系の人間が
研究者人生を成功させるノウハウが書かれた本.
最後に書かれているとおり,「何もしないリスク」もあることから
これを打破する必要がある.
# 他の本でもよく書かれている内容だが,実践するのは難しい.
そのためにも,会社(NPO法人)を作ったり,人的ネットワークを
充実させたり,表現力を高める必要がある.
書いてある内容はまさに正論であり,耳が痛い.
# 実行しないとダメなんだろうな...

とりあえず,以下を改めて考えてみよう.
・バリュー:自分が幸せを感じるのはどのようなときか?
・ミッション:自分の使命は?(自分の今していることを統合)
・ストラテジー:バリューのなかでミッションの遂行方法を探る.
(理想の研究者像のイメージ,必要なスキルの検討)

「とりあえず仮説」を立てて,がんばろう.

Wednesday, March 10, 2010

神様のカルテ

以下の本を読んだ.

神様のカルテ
夏川 草介
  • 単行本: 208ページ
  • 出版社: 小学館 (2009/8/27)
  • ISBN-10: 4093862591
  • ISBN-13: 978-4093862592
  • 発売日: 2009/8/27
  • 商品の寸法: 19 x 13.2 x 1.8 cm
栗原一止は信州の小さな病院で働く、悲しむことが苦手な内科医である。
ここでは常に医師が不足している。
専門ではない分野の診療をするのも日常茶飯事なら、
睡眠を三日取れないことも日常茶飯事だ。
そんな栗原に、母校の医局から誘いの声がかかる。
大学に戻れば、休みも増え愛する妻と過ごす時間が増える。
最先端の医療を学ぶこともできる。
だが、大学病院や大病院に「手遅れ」と見放された患者たちと、
精一杯向き合う医者がいてもいいのではないか。
悩む一止の背中を押してくれたのは、高齢の癌患者・安曇さんからの
思いがけない贈り物だった。第十回小学館文庫小説賞受賞作。

神の手を持つ医者はいなくても、この病院では奇蹟が起きる。
夏目漱石を敬愛し、ハルさんを愛する青年は、信州にある
「24時間、365日対応」の病院で、今日も勤務中。
読んだ人すべての心を温かくする、新たなベストセラー。
第十回小学館文庫小説賞受賞。
...とのこと.

何とはなしに読んでみた.
田舎の医師不足で悩む小さな病院で働く医師の物語.
だいぶ優秀なようだが,アウトローでこの病院にやってきたらしい.
まわりの奇妙な人たちとうまいことやっている.
# 自分がもっとも変人か.
妻を細君と呼ぶなど,古い言葉づかいは,敬愛する夏目漱石の影響らしい.
現場の医師の大変な境遇がうまく綴られている.
それでいて,大変さを感じさせないところは,著者の技量によるものか.
よくこれだけ調べたものだ,と思ったら,著者は医学部出身の実際の
医者らしい.
# 海堂 尊みたいだな.
内容的には,そんなに突飛なものではなく,ほぼ想定されるものであった.
# ちょっと,軽すぎかな.
しかしながら,心温まる部分もあり,それなりに読める.
今後に期待しよう.
# キャラがもっとしっかりしていれば,シリーズ化も可能か.

# なお,「一止」で「正」とは,ずいぶんと手が込んでいるな.

Thursday, March 04, 2010

日本でいちばん大切にしたい会社

以下の本を読んだ.

日本でいちばん大切にしたい会社
坂本 光司
  • 単行本(ソフトカバー): 207ページ
  • 出版社: あさ出版 (2008/3/21)
  • ISBN-10: 4860632486
  • ISBN-13: 978-4860632489
  • 発売日: 2008/3/21
  • 商品の寸法: 18.8 x 13 x 2.2 cm
なぜこの会社には、4000人もの学生が入社を希望するのか?
なぜこの会社は、48年間も増収増益を続けられたのか?
なぜこの会社の話を聞いて、人は涙を流すのか?
6000社のフィールドワークで見出した「日本一」価値ある企業。
...とのこと.
# さらに詳細は,最後尾に引用.

ちょっとした話題作につき,読んでみた.
もうけ主義とは一線を画した価値ある企業の物語.
著者自らが,さまざまな会社を見て歩き,その中で,特に
心に残った会社が挙げられている.
確かに,表題にあるとおり,大切にしたいと思える会社達である.

著者の定義する経営とは,次の5人に対する使命と責任を果たすことで
あるとのこと.
その5人とは,優先順位の上から順に,社員とその家族,外注先・
下請け企業の社員,顧客,地域社会,(自然に生まれる)株主の幸せ,
とのこと.
# 一般に考えられる,会社は株主,社長のものとの考えとは
# まったく逆である.
これを遵守することにより,着実な成長を遂げている会社が
記述されている.

これらの会社が実績を伸ばしていることには,素直に感服する.
しかしながら,資本主義経済の中で,これをまねすることは
実際には,困難だろう.
# おそらく,このような正直な経営で,姿を消していった会社が
# ごまんとあることだろう.

また,このように着実な成長をするためのヒントとして,
オンリーワンの仕事をする,すなわち,あまり他がやりたがらないが,
ニーズのある仕事をすることが挙げられている.
着実な成長の可能性はあるが,その割に大きな成長は望めず,やはり,
多くの人はやりたがらないであろう.
# ハイリスクローリターン

なお,文章中に,不自然な箇所が散見された.
# 大学教授の書いた本にいうのもなんだが,
残念ながら,文章力が高いとは言い難い.
# このあたりは,編集者が直してやればよいのに.

これらの価値ある会社が,資本主義経済と共存できる社会となることを願う.

以下,amazon からの引用.

鳩山首相が感動し、訪問、所信表明演説で紹介した、
チョークの会社のエピソードを収録。
村上龍氏推薦!
日本経済新聞「ベストセラーの裏側」 R25「R25的ブックレビュー」、AERA、
TBSテレビ「サンデージャポン」「久米宏のテレビってヤツは!?」
フジテレビ「ニュースJAPAN」 TBSラジオ「アクセス」
文化放送「武田鉄矢 今朝の三枚おろし」 BS11「ベストセラーBOOK TV」
毎日新聞、産経新聞、静岡新聞、北海道新聞、日経MJ、週刊ダイヤモンドなど、様々なメディアで「泣けるビジネス書」として話題沸騰!

本書の第1部で、著者は「会社経営とは『5人に対する使命と責任』を果たすための活動」であるとして、経営の目的を以下の5つに定めています。
1 社員とその家族を幸せにする
2 外注先・下請企業の社員を幸せにする
3 顧客を幸せにする
4 地域社会を幸せに、活性化させる
5 株主を幸せにする

多くの経営書では、会社は株主のものである、と書いています。
また、「会社は誰のものか」という議論では「株主のもの」という考えが支配的で、
経営の目的も「顧客満足」とか「株主価値の最大化」などということが当然のようにいわれます。
しかし著者は、みんな勘違いしている、と喝破します。会社は顧客のためのものでも、まして株主のためのものでもない、というのです。
社員が喜びを感じ、幸福になれて初めて顧客に喜びを提供することができる。
顧客に喜びを提供できて初めて収益が上がり、株主を幸福にすることができる。
だから株主の幸せは目的ではなく結果である――これが著者の主張です。
目からウロコが落ちる思いの経営者、社員の方々が大勢いるのではないでしょうか。

第2部では、そのことを実証する「日本でいちばん大切にしたい会社」が登場します。
心を打つ、胸にしみる現実のストーリーです。
働くことの意味、会社という存在の意味を深く教えてくれる、必読の1冊です。