Thursday, March 04, 2010

日本でいちばん大切にしたい会社

以下の本を読んだ.

日本でいちばん大切にしたい会社
坂本 光司
  • 単行本(ソフトカバー): 207ページ
  • 出版社: あさ出版 (2008/3/21)
  • ISBN-10: 4860632486
  • ISBN-13: 978-4860632489
  • 発売日: 2008/3/21
  • 商品の寸法: 18.8 x 13 x 2.2 cm
なぜこの会社には、4000人もの学生が入社を希望するのか?
なぜこの会社は、48年間も増収増益を続けられたのか?
なぜこの会社の話を聞いて、人は涙を流すのか?
6000社のフィールドワークで見出した「日本一」価値ある企業。
...とのこと.
# さらに詳細は,最後尾に引用.

ちょっとした話題作につき,読んでみた.
もうけ主義とは一線を画した価値ある企業の物語.
著者自らが,さまざまな会社を見て歩き,その中で,特に
心に残った会社が挙げられている.
確かに,表題にあるとおり,大切にしたいと思える会社達である.

著者の定義する経営とは,次の5人に対する使命と責任を果たすことで
あるとのこと.
その5人とは,優先順位の上から順に,社員とその家族,外注先・
下請け企業の社員,顧客,地域社会,(自然に生まれる)株主の幸せ,
とのこと.
# 一般に考えられる,会社は株主,社長のものとの考えとは
# まったく逆である.
これを遵守することにより,着実な成長を遂げている会社が
記述されている.

これらの会社が実績を伸ばしていることには,素直に感服する.
しかしながら,資本主義経済の中で,これをまねすることは
実際には,困難だろう.
# おそらく,このような正直な経営で,姿を消していった会社が
# ごまんとあることだろう.

また,このように着実な成長をするためのヒントとして,
オンリーワンの仕事をする,すなわち,あまり他がやりたがらないが,
ニーズのある仕事をすることが挙げられている.
着実な成長の可能性はあるが,その割に大きな成長は望めず,やはり,
多くの人はやりたがらないであろう.
# ハイリスクローリターン

なお,文章中に,不自然な箇所が散見された.
# 大学教授の書いた本にいうのもなんだが,
残念ながら,文章力が高いとは言い難い.
# このあたりは,編集者が直してやればよいのに.

これらの価値ある会社が,資本主義経済と共存できる社会となることを願う.

以下,amazon からの引用.

鳩山首相が感動し、訪問、所信表明演説で紹介した、
チョークの会社のエピソードを収録。
村上龍氏推薦!
日本経済新聞「ベストセラーの裏側」 R25「R25的ブックレビュー」、AERA、
TBSテレビ「サンデージャポン」「久米宏のテレビってヤツは!?」
フジテレビ「ニュースJAPAN」 TBSラジオ「アクセス」
文化放送「武田鉄矢 今朝の三枚おろし」 BS11「ベストセラーBOOK TV」
毎日新聞、産経新聞、静岡新聞、北海道新聞、日経MJ、週刊ダイヤモンドなど、様々なメディアで「泣けるビジネス書」として話題沸騰!

本書の第1部で、著者は「会社経営とは『5人に対する使命と責任』を果たすための活動」であるとして、経営の目的を以下の5つに定めています。
1 社員とその家族を幸せにする
2 外注先・下請企業の社員を幸せにする
3 顧客を幸せにする
4 地域社会を幸せに、活性化させる
5 株主を幸せにする

多くの経営書では、会社は株主のものである、と書いています。
また、「会社は誰のものか」という議論では「株主のもの」という考えが支配的で、
経営の目的も「顧客満足」とか「株主価値の最大化」などということが当然のようにいわれます。
しかし著者は、みんな勘違いしている、と喝破します。会社は顧客のためのものでも、まして株主のためのものでもない、というのです。
社員が喜びを感じ、幸福になれて初めて顧客に喜びを提供することができる。
顧客に喜びを提供できて初めて収益が上がり、株主を幸福にすることができる。
だから株主の幸せは目的ではなく結果である――これが著者の主張です。
目からウロコが落ちる思いの経営者、社員の方々が大勢いるのではないでしょうか。

第2部では、そのことを実証する「日本でいちばん大切にしたい会社」が登場します。
心を打つ、胸にしみる現実のストーリーです。
働くことの意味、会社という存在の意味を深く教えてくれる、必読の1冊です。

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