Thursday, April 15, 2010

オー!ファーザー

以下の本を読んだ.

オー!ファーザー
伊坂 幸太郎
  • 単行本: 361ページ
  • 出版社: 新潮社 (2010/03)
  • ISBN-10: 4104596043
  • ISBN-13: 978-4104596041
  • 発売日: 2010/03
  • 商品の寸法: 19.2 x 13.6 x 2.2 cm
みんな、俺の話を聞いたら尊敬したくなるよ。我が家は、六人家族で大変なんだ。
そんなのは珍しくない?いや、そうじゃないんだ、母一人、子一人なのはいいとして、
父親が四人もいるんだよ。しかも、みんなどこか変わっていて。
俺は普通の高校生で、ごく普通に生活していたいだけなのに。
そして、今回、変な事件に巻き込まれて―。
...とのこと.

言わずとしれた,上著者の作品につき,読んでみた.
最近の刊行であるが,実際には,3年ほど前に書かれたものであり,
久しぶりに伏線がひかれた内容となっている.
あとがきにもあるとおり,第一期最後の作品に位置づけられる.
# 第何期とか言うほど,作数が増えたこと自体が感慨深い.
実際,これ以降の作品は,自分でも言っているとおり,伏線がひかれていない.
よって,伏線を楽しめる最後の作品といえる.

物語は,父と子の話である.しかしながら,その父親は4人.
それぞれが,個別に,それぞれの分野で抜きん出てたい才能を持っている.
容姿端麗,頭脳明晰,運動神経抜群,賭け事が得意(ことばに説得力がある?)
小さい頃から彼らに育てられ,子はずいぶん優秀に育っている.
しかしながら,子ども自身は,そんなことは望んでおらず,自分の能力にも
気づいていない.
# が,そんなことは,この物語には,あまり関係がない.
最終的には,親子愛(父たちと子の愛?)にたどり着く.

新聞で連載されていたこともあり,部分的におもしろいところがふんだんに
盛り込まれている.
# その分,全体としては,まとまりが薄いか.
伏線もたくさんあり,他の作品とのリンクも存在する.
# ランアウェイ・プリズナー,殿様,死んでいない,麻雀,野球選手,
# クイズ番組,手旗信号
# 熊本さん,田村麻呂,には,もう少し活躍(?)してほしかった.

とりあえず,おもしろい作品であった.
# そうか,これが,第一期の集大成か.
それにしても,脱出時に狙撃手に撃たれなくて何よりであった.

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