Wednesday, June 09, 2010

偏差値40から良い会社に入る方法

以下の本を読んだ.

偏差値40から良い会社に入る方法
田中 秀臣
  • 出版社: 東洋経済新報社 (2009/11/20)
  • ISBN-10: 4492260986
  • ISBN-13: 978-4492260982
  • 発売日: 2009/11/20
  • 商品の寸法: 19 x 13.2 x 2 cm
田中 秀臣1961年生まれ。早稲田大学大学院経済学研究科単位取得退学。
現在、上武大学ビジネス情報学部教授。専門は経済思想史・日本経済論。
「リフレ派」経済学者の代表的な論客として、各メディアで積極的な
発言を続けている。サブカルチャーにも造詣が深い。
『昭和恐慌の研究』(共著、東洋経済新報社)で第47回日経・
経済図書文化賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
...が書いたとのこと.

就活について書かれた本.
# 就職活動を就活と呼ぶのは,もう,常識なのかな.
うちの学生の就職率が悪いこともあり,大学内でも評判だったので
読んでみた.

有名大学の就活生を就職コア層と呼び,それ以外の(地方公立大学を含む)
就活生を非就職コア層と呼んでいる.
「ふつう」に就職活動をして,大企業にふつうに就職するのが,コア層である.
ここで言う「ふつう」とは,これまで考えられてきた,一般的な「ふつう」である.
# ふつうに,挨拶をし,約束を守り,正しい日本語を使い,コミュニケーションが
# はかれる,などということ.
よって,非就職コア層は,この「ふつう」がふつうでなくなってきているらしい.
# 確かに,思い当たる節はあるな.
よって,非就職コア層が「ふつう」に就職するためには,ここからどうにか
する必要がある.
とにかく,認識が甘い(認識していない)ようなので,きちんと企業研究を
させるなどすることが必要.
自分で考えられないのであれば,親や教員が積極的に関与する,などが
必要とのこと.

信じられない世の中だが,ある程度指導はしてみよう.
# 本当に大学でやることなのだろうか.

なお,当然ながら,不況により,非就職コア層は,さらに不利になっている.
根本的な解決には,景気を良くする必要がある.
# ...って,これはまた違う話.新しい内閣に期待.

Tuesday, June 08, 2010

数式を使わないデータマイニング入門

以下の本を読んだ.

数式を使わないデータマイニング入門 隠れた法則を発見する (光文社新書)
岡嶋 裕史
  • 新書: 211ページ
  • 出版社: 光文社 (2006/5/17)
  • ISBN-10: 4334033555
  • ISBN-13: 978-4334033552
  • 発売日: 2006/5/17
  • 商品の寸法: 17 x 10.8 x 1.4 cm
グーグル、アマゾン Web2.0時代に必須の技術を、本質から理解する
データマイニングが従来の統計分析と一線を画して語られるのは、
取り扱う情報が質と量の両面において異なるからです。(略)
統計分析は情報が高コストであった時代に確立された学問体系です。
それは、できるだけ小さい情報量から、世界の姿を知ろうとする試みだと
換言できます。一方で現代は巷に情報があふれかえっています。
その差が指し示すのは、分析対象が深度を増すことであり、
従来は分析対象にしなかった/できなかった情報も対象にできる、
すなわち、対象の幅が拡がることでもあります。
このように質的にも量的にも変化した分析対象に対して、
異なるアプローチ方法が用意されるのは、必然でもあるでしょう。
...とのこと.

まさに,データマイニングの入門書.
前半部分では,データマイニングの必要性,必然性,統計分析との
質的な違い,などが述べられており,興味深い.
情報爆発という言葉に代表されるように,現在,ちまたには,情報が
あふれかえっている.
その情報の多くは,これまで保存されていなかった情報であり,
ここから,有益な情報を抽出するのが,データマイニングである.
# ちなみに,最近の情報は,センサーによるものが多い.
# ここで言うセンサーとは,防犯カメラの映像,などを含み,
# 記憶媒体の大容量化,低価格化により,とにかく保存が進んでいる.
# ...落ち着いて考えると,怖い世の中だ.
何も考えずに,手法だけを適用すると,雨が降ってきたので傘が売れた,など
無意味な情報が抽出されるので,注意が必要.

後半部分では,各手法が紹介されている.
しかしながら,回帰直線を求めて,回帰分析により予測を行う,くらいまでの
説明はまだよいとしても,それ以降の決定木,k-means,
自己組織化マップによる分類,協調フィルタリング,
ニューラルネットワークなどの説明を数式なしで行っているため,
その詳細は不明瞭.
# やはり,これらを数式なしで説明するのは無理があるかな.

最後の部分では,情報の共有と監視,個人情報保護などの話もあり,面白い.
この前半部分と最後の部分を読むだけでも,ためになる.

Monday, June 07, 2010

渋滞学

以下の本を読んだ.

渋滞学 (新潮選書)
西成 活裕
  • 単行本: 256ページ
  • 出版社: 新潮社 (2006/9/21)
  • ISBN-10: 4106035707
  • ISBN-13: 978-4106035708
  • 発売日: 2006/9/21
  • 商品の寸法: 19 x 13 x 2.2 cm
人混み、車、アリ、インターネット…世の中、渋滞だらけである。
生まれたばかりの研究「渋滞学」による分野横断的な発想から、
その原因と問題解決の糸口が見えてきた。
高速道路の設計のコツから混雑した場所での通路の作り方、
動く歩道の新利用法まで。
一方で、駅張り広告やお金、森林火災など、停滞が望ましいケースでの
ヒントにも論及。渋滞は、面白い。
事故もないのに自然渋滞ってなぜ起きるんだろう?
人混み、車、アリ、インターネットなど渋滞だらけの世の中。
生まれたばかりの研究「渋滞学」による分野横断的な発想から、
その原因と問題解決の糸口をさぐる。
...とのこと.

ネタになるかと思い,読んでみた.
渋滞を引き起こす要素を,ニュートン粒子,非ニュートン粒子に分け,
さらに,自己駆動粒子や温度などを利用して,さまざまな渋滞を
説明しようとする学問.
おもちゃモデルである ASEP でも十分に渋滞クラスタができていく過程が
見えて面白い.
渋滞による待ち時間の計算方法は以下のとおりである.
待ち時間×人の到着率=待ち人数
言われてみれば当然だが,興味深い式だ.
今度,待っている時に計算してみよう.

渋滞で気になるのは,やはり,車を運転しているときである.
赤信号で車が並んでいるとなかなか進まず,なぜ,青信号ですべての
車が同時に動き出さないのか,不思議に思っていたが,この原因は
プレッシャーによるものである.
低速時の運転であれば,ある程度車間距離が近くても,併走することが
可能である
# このような走行をプラトーン(小隊)走行という.
しかしながら,速度が速くなってくると,ぶつかるとの恐怖から,
車間距離が広がってしまう.
このプレッシャーのため,常人では,青信号と同時に,停止時と同様の
車間距離を保ったまま,スピードを上げるのは,困難である.
ちなみに,信号が青に変わった時に,車が動き出す時間は,1台あたり
1.5秒とのことであった.
# 前に,10台の車がいたら,自車が発車するのに15秒必要ということ.
# 信号待ちしているときの参考にしよう.

当然ながら,同様に,高速道路等においても,上記のプレッシャーは
発生する.
上記,プラトーン走行が可能な車間距離は40メートル程度らしい.
よって,車が詰まってきて,車間距離が40m以下になると,渋滞が
発生するとのこと.
40m 以上であれば安定状態で渋滞は皆無.
しかしながら,これ以下になっても,すぐに渋滞になるわけではなく,
みんながプレッシャーに負けず,プラトーン走行を続けている場合も
あり,これをメタ安定状態と呼ぶ.
このメタ安定状態は,容易に渋滞になることが知られている.
# 1台がプレッシャーに負けて,減速したらアウト.
よって,急がず,慌てず,車間距離を保つようにしよう.
# みんなが一斉に実践しないとダメだが...

他にも,人の渋滞,アリの渋滞(ACO),インターネットの渋滞,
ブラジルナッツ現象,タンパク質の話,など,渋滞にまつわる
いろいろな話があった.
# やはり,車の渋滞が一番,興味深い.
日常生活で,考察してみよう.

Sunday, June 06, 2010

発達障害に気づかない大人たち

以下の本を読んだ.

発達障害に気づかない大人たち (祥伝社新書 190)
星野仁彦
  • 新書: 256ページ
  • 出版社: 祥伝社; 新書判版 (2010/1/30)
  • 言語 日本語
  • ISBN-10: 4396111908
  • ISBN-13: 978-4396111908
  • 発売日: 2010/1/30
  • 商品の寸法: 17.4 x 11 x 1.4 cm
片づけられない、すぐキレる、話を聞けない…
あなたのまわりにもそんなちょっと「困った」大人たちがいないだろうか?
あるいは、あなた自身がそう思われている可能性はないだろうか?
そうだとしたら、それは「発達障害」かもしれない。
落ち着きに欠け衝動的な「注意欠陥・多動性障害(ADHD)」、
対人スキルや社会性に問題のある「アスペルガー症候群」、読み書きなどの
習得に難のある「学習障害」などの総称である「発達障害」。
子どもだけのものと思われがちなこの発達障害だが、実は
「大人の発達障害」の人も数多く存在する。しかも、大人になってからのほうが、
うつ病や依存症につながるなど大きな問題を引き起こしやすいのだ。
一方で、ピカソなど一流の芸術家たちが発達障害だったように、
磨けば光る能力を持っているという側面もある。
これまであまり知られてこなかった「大人の発達障害」の実態から治療法、
日常生活での注意点やサポート方法までを解説。これ一冊ですべてがわかる。
...とのこと.

思い当たる節があるので読んでみた.
# 自分のことではない,...と思うが.
ADHD(注意欠陥・多動性障害)やアスペルガー症候群について書かれた本.
# 厳密には,これらも異なるようんだが,よく分からん.
片付けられない,すぐキレる,人の話を聞かない,空気が読めない,などは
個人の責任ではなく,発達障害によるものである可能性があるとのこと.
障害といっても,すべてにおいて劣っている訳ではなく,場合によっては,
記憶力が高かったり,美的センスに秀でていたりしており,
発達アンバランス症候群とでも呼んだ方がよいとのこと.
二次障害として,うつやアルコール依存症などになりやすいとのことなので,
注意が必要.
治療には,まず,認めることが大事である.
そのため,周りのサポートが多分に必要とのこと.

書いてある内容,対処法は理解できたが,実際にそのような人物(学生)が
いた場合,どのように対処すべきか,判断に迷う.
# それほど手厚いサポートは無理.
そのような学生が,発達障害でないことを祈る.

# ストレスに弱い,対人スキルが未熟,など,気合いが足りん,親のしつけが
# なっとらん,では済ませられないのだな...