Monday, June 07, 2010

渋滞学

以下の本を読んだ.

渋滞学 (新潮選書)
西成 活裕
  • 単行本: 256ページ
  • 出版社: 新潮社 (2006/9/21)
  • ISBN-10: 4106035707
  • ISBN-13: 978-4106035708
  • 発売日: 2006/9/21
  • 商品の寸法: 19 x 13 x 2.2 cm
人混み、車、アリ、インターネット…世の中、渋滞だらけである。
生まれたばかりの研究「渋滞学」による分野横断的な発想から、
その原因と問題解決の糸口が見えてきた。
高速道路の設計のコツから混雑した場所での通路の作り方、
動く歩道の新利用法まで。
一方で、駅張り広告やお金、森林火災など、停滞が望ましいケースでの
ヒントにも論及。渋滞は、面白い。
事故もないのに自然渋滞ってなぜ起きるんだろう?
人混み、車、アリ、インターネットなど渋滞だらけの世の中。
生まれたばかりの研究「渋滞学」による分野横断的な発想から、
その原因と問題解決の糸口をさぐる。
...とのこと.

ネタになるかと思い,読んでみた.
渋滞を引き起こす要素を,ニュートン粒子,非ニュートン粒子に分け,
さらに,自己駆動粒子や温度などを利用して,さまざまな渋滞を
説明しようとする学問.
おもちゃモデルである ASEP でも十分に渋滞クラスタができていく過程が
見えて面白い.
渋滞による待ち時間の計算方法は以下のとおりである.
待ち時間×人の到着率=待ち人数
言われてみれば当然だが,興味深い式だ.
今度,待っている時に計算してみよう.

渋滞で気になるのは,やはり,車を運転しているときである.
赤信号で車が並んでいるとなかなか進まず,なぜ,青信号ですべての
車が同時に動き出さないのか,不思議に思っていたが,この原因は
プレッシャーによるものである.
低速時の運転であれば,ある程度車間距離が近くても,併走することが
可能である
# このような走行をプラトーン(小隊)走行という.
しかしながら,速度が速くなってくると,ぶつかるとの恐怖から,
車間距離が広がってしまう.
このプレッシャーのため,常人では,青信号と同時に,停止時と同様の
車間距離を保ったまま,スピードを上げるのは,困難である.
ちなみに,信号が青に変わった時に,車が動き出す時間は,1台あたり
1.5秒とのことであった.
# 前に,10台の車がいたら,自車が発車するのに15秒必要ということ.
# 信号待ちしているときの参考にしよう.

当然ながら,同様に,高速道路等においても,上記のプレッシャーは
発生する.
上記,プラトーン走行が可能な車間距離は40メートル程度らしい.
よって,車が詰まってきて,車間距離が40m以下になると,渋滞が
発生するとのこと.
40m 以上であれば安定状態で渋滞は皆無.
しかしながら,これ以下になっても,すぐに渋滞になるわけではなく,
みんながプレッシャーに負けず,プラトーン走行を続けている場合も
あり,これをメタ安定状態と呼ぶ.
このメタ安定状態は,容易に渋滞になることが知られている.
# 1台がプレッシャーに負けて,減速したらアウト.
よって,急がず,慌てず,車間距離を保つようにしよう.
# みんなが一斉に実践しないとダメだが...

他にも,人の渋滞,アリの渋滞(ACO),インターネットの渋滞,
ブラジルナッツ現象,タンパク質の話,など,渋滞にまつわる
いろいろな話があった.
# やはり,車の渋滞が一番,興味深い.
日常生活で,考察してみよう.

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