Saturday, January 28, 2012

蜩ノ記

以下の本を読んだ.

蜩ノ記
葉室 麟
  • 単行本: 327ページ
  • 出版社: 祥伝社 (2011/10/26)
  • 言語 日本語
  • ISBN-10: 4396633734
  • ISBN-13: 978-4396633738
  • 発売日: 2011/10/26
  • 商品の寸法: 19 x 13.6 x 3.4 cm
鳴く声は、命の燃える音に似て―― 命を区切られたとき、人は何を思い、
いかに生きるのか?
豊後・羽根藩の奥祐筆・檀野庄三郎は、城内で刃傷沙汰に及んだ末、
からくも切腹を免れ、家老により向山村に幽閉中の元郡奉行・戸田秋谷の
元へ遣わされる。
秋谷は七年前、前藩主の側室と不義密通を犯した廉で、
家譜編纂と十年後の切腹を命じられていた。
庄三郎には編纂補助と監視、七年前の事件の真相探求の命が課される。
だが、向山村に入った庄三郎は秋谷の清廉さに触れ、
その無実を信じるようになり……。
命を区切られた男の気高く凄絶な覚悟を穏やかな山間の風景の中に謳い上げる、
感涙の時代小説!
...とのこと.

直木賞受賞作につき,読んでみた.
武士の生き様が書かれた本.
時代小説であり,その背景を理解するのに,若干の時間を要したが,
後半部分は,すんなりと読むことができた.
命よりも家,志(プライド)を重んじる文化.
秋谷が幽閉されるに至った経緯は,ほぼ想定どおり.
主人公である庄三郎が,戸田家に入り,秋谷に感化される.
幽閉中であるにもかかわらず,妻や子どもたちも着いてきており,
周りの住民にも頼りにされる,秋谷は超人的.
その子ども郁太郎も立派.
# 礫のパワーもすばらしい.
中根屋敷での家老である近右衛門とのやりとりは見事.
ラストは,どうやら秋谷は切腹したようだが,残された家族の今後も
悲観的でなく,よい後読感があった.

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