共喰い
田中 慎弥
- 単行本: 144ページ
- 出版社: 集英社 (2012/1/27)
- 言語 日本語
- ISBN-10: 4087714470
- ISBN-13: 978-4087714470
- 発売日: 2012/1/27
- 商品の寸法: 19 x 13.4 x 1.8 cm
昭和63年。17歳の遠馬は、怪しげな仕事をしている父とその愛人・
琴子さんの三人で川辺の町に暮らしていた。
別れた母も近くに住んでおり、川で釣ったウナギを母にさばいてもらう距離にいる。
日常的に父の乱暴な性交場面を目の当たりにして、
嫌悪感を募らせながらも、自分にも父の血が流れていることを感じている。
同じ学校の会田千種と覚えたばかりの性交にのめりこんでいくが、
父と同じ暴力的なセックスを試そうとしてケンカをしてしまう。
一方、台風が近づき、町が水にのまれる中、父との子を
身ごもったまま逃げるように愛人は家を出てしまった。
怒った父は、遠馬と仲直りをしようと森の中で遠馬を待つ千種のもとに
忍び寄っていく....。
川辺の町で起こる、逃げ場のない血と性の臭いがたちこめる濃密な物語。
第144回芥川賞候補作「第三紀層の魚」も同時収録。
...とのこと.
芥川賞受賞作につき読んでみた.
# インタビューも話題だったが.
血(暴力)と性(姓?)の物語.
当然ながら,非日常的な内容ではあるが,細かい描写がよくなされており,
すんなりと物語に没頭することができる.
# 分かれた母の腕,鳥居をくぐる,蝸牛の動き,など
それにしても,このような内容を毎日,書き続けているのだな.
# 就職できないのも仕方がない,かな.
いろいろと感服.
なお,もう一編,「第三紀層の魚」も収録されている.
魚釣りと曾祖父の物語.
母の東京異動を軸に話が進んでいく.
魚の種類(チヌ)と鼻の潰れた男,勲章の件が,いい味を出している.
さらに,タイトルがアクセントを加えている.
# 何度も言うが,こういう話を毎日書いているのだな.
# 何度も言うが,こういう話を毎日書いているのだな.
今後も書き続けてもらおう.
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