Saturday, August 25, 2012

文書術

以下の本を読んだ.

文書術―読みこなし、書きこなす (中公新書)
工藤 順一

  • 新書: 180ページ
  • 出版社: 中央公論新社 (2010/09)
  • ISBN-10: 4121020731
  • ISBN-13: 978-4121020734
  • 発売日: 2010/09
  • 商品の寸法: 17.5 x 11.2 x 1.3 cm

言葉には、「話し言葉」と「書き言葉」がある。普段、この二つを分けては考えることはないが、何かを正確に伝えようとするならば、必要なのは書きの言葉の力である。本書では、状況をもとにしない第三者にも、また複雑な状況でも伝わる、書き言葉の論理と実際に迫っていく。子どもに向けて、長く作文を教えてきた著者ならではの、「文」を「書」く技「術」とは。書くためのトレーニングの原理を考え、その実践の道を探る。 ...とのこと.

タイトルに惹かれ何となく読んでみた. 文を書く記述について書かれた本. しかしながら,書く技術のみならず,読み方やさらには,考え方にまで及ぶ内容となっており,充実した内容であった. 話し言葉と書き言葉の定義に始まり,なぜ書くか,感覚から言葉へ,文章の型,世界と自分の関係,と幅広い. 実践的な記述もあり,ぜひ,授業等にも取り入れていこう. # コボちゃん作文,宝探し作文,マインドマップ,天声人語ならべかえ,要約,など. なかなか有意義だな.

Monday, August 20, 2012

盤上の夜

以下の本を読んだ.

盤上の夜 (創元日本SF叢書)
宮内 悠介

  • 単行本: 283ページ
  • 出版社: 東京創元社 (2012/3/22)
  • 言語 日本語
  • ISBN-10: 4488018157
  • ISBN-13: 978-4488018153
  • 発売日: 2012/3/22
  • 商品の寸法: 19 x 13.4 x 2.6 cm

囲碁、チェッカー、麻雀、将棋、古代チェス……対局の果てに、人知を超えるものが現出する。一人のジャーナリストが語る清新なSF連作。第1回創元SF短編賞山田正紀賞。 相田と由宇は、出会わないほうがいい二人だったのではないか。彼女は四肢を失い、囲碁盤を感覚器とするようになった―若き女流棋士の栄光をつづり、第一回創元SF短編賞で山田正紀賞を贈られた表題作にはじまる全六編。同じジャーナリストを語り手にして紡がれる、盤上遊戯、卓上遊戯をめぐる数々の奇蹟の物語。囲碁、チェッカー、麻雀、古代チェス、将棋…対局の果てに、人知を超えたものが現出する。二〇一〇年代を牽引する新しい波。 ...とのこと.

ボードゲームを題材としており,何となく読んでみた. 囲碁,チェッカー,麻雀,チャトランガ,将棋,囲碁,それぞれを題材とした物語. # よく見たら囲碁だけ2つあったな. 最初の囲碁の話では,手足を失い,盤面を触覚として関知できる女性が登場. 囲碁で強くなるために,触覚を鍛えるべく,多くの言葉,外国語を勉強する. # 興味深い話だな. チェッカーの話では,双方が最善を尽くした場合,必ず引き分けになる,と結論が出た後での,無敵のチャンピオンに焦点が当てられている. チェスにおいては,人間のチャンピオンにコンピュータが何とか勝った. しかし,チェッカーのように,完全に計算されたわけではない. よって,チェスのチャンピオンはまだいいとして,チェッカーのチャンピオンは... チャトランガ以降の話も斬新だ. # 斬新すぎて飲み込みきれない部分もあるが. 今後に期待.

Sunday, August 19, 2012

工学部ヒラノ教授の事件ファイル

以下の本を読んだ.

工学部ヒラノ教授の事件ファイル
今野 浩

  • 単行本: 206ページ
  • 出版社: 新潮社 (2012/6/18)
  • 言語 日本語
  • ISBN-10: 4103147636
  • ISBN-13: 978-4103147633
  • 発売日: 2012/6/18
  • 商品の寸法: 19.2 x 13.2 x 2.4 cm

筑波大、東工大、中央大での大学出世スゴロクのさ中、ヒラノ教授は、見た! 事件は工学部で起きている――横領、セクハラ、アカハラにピンハネ、おなじみのポスト争い……日本の未来を担う工学部キャンパスで、今日も勃発する「犯罪」の数々。巧妙、姑息な手の内から、新聞を賑わす事件の真相までをも明かす、比類なき大学ノンフィクション。名門工学部をわたり歩いた著者ならではの観察眼が冴える! 平社員ならぬ万年平教授は見た。横領?セクハラ?アカハラ?相変わらずのポスト争い…筑波大、東工大、中央大を知り抜く著者が、工学部キャンパスの日常に勃発する「犯罪」を明かす。 ...とのこと.

前作から気になっていたので読んでみた. 自称二流大学教授が描く,大学の裏側の話. # これで二流なら,自分は三流どころか五流だな... 単位,研究費,謝金,セクハラ,パワハラ,と直面する問題がまさに赤裸々に語られている. # 確かにうなずける内容が多い. # でも,レベルが違うな. 最後には,時期的なものもあり,キャンパス殺人事件と原発の話もある. こういった現状は,ふつうの人には分からないだろうから,本として出版した著者には頭が下がる. # 前作の表側の話も読みたくなったな.