Friday, October 19, 2012

ケータイ化する日本語

以下の本を読んだ.

ケータイ化する日本語―モバイル時代の“感じる"“伝える"“考える"
佐藤 健二

  • 単行本: 293ページ
  • 出版社: 大修館書店 (2012/7/8)
  • 言語 日本語
  • ISBN-10: 4469222224
  • ISBN-13: 978-4469222227
  • 発売日: 2012/7/8
  • 商品の寸法: 18.8 x 13 x 2.2 cm

電話の進化と「ことばの衰弱」の深い関係 個人と個人を、いつでも直接つなげることができるケータイ。その爆発的普及の中で、「ことばの力」が衰弱し、他者との関係が薄らいでいる?! 電話の登場以降、知らぬ間に変わっていた私たちの言語空間――。「声」の獲得以後の人類史をふまえ、「社会」を担う次世代に説く「ことば」の歴史社会学。自分の「ことば」を自分の「身体」に取り戻すには。 〔主な内容〕 ●人間は「空気」の海に浮かんでいる魚である ●ことばは、もうひとつの手であり、もうひとつの脳であり、もうひとつの皮膚である ●「留守番電話」はなぜ話しづらいのか、「間違い電話」はなぜ腹立たしいのか ●同席者が「ケータイ」で話しはじめたとき、なぜ居心地が悪いのか ●電話の置き場所は、なぜ玄関から居間へ、そして個室へと変わったのか ●いま他者への想像力が変化している ●「ケータイ」の前に「ウォークマン」があった──街にあふれだす個室環境 ●ケータイは、既知の親密にひとを閉じ込め、会えない時間が育てる関係を見失わせる ●ひととひととの「直接接続」の落とし穴──第三者としての他者が薄らいでいく ●「線」の電話空間と「面」の現実空間──バーチャルとリアルの二分法を超える ●「言い尽くせない」「書き切れない」ものと向かい合う
「ことば」は人の「光」なりき―。電話の登場からケータイの普及まで通話機器の発達は、われわれの言語空間をどう変えたか。「声」という共鳴の身体技法獲得以後の人類史をふまえ、「社会」を担う次世代に説く「ことば」の歴史社会学。 ...とのこと.

「ケータイ」,「日本語」という2つのキーワードが気になり読んでみた. ケータイの変遷について書かれた本. # 日本語については,そんなに書かれていないような... ことばは(外部に接する)皮膚である,など,魅力的な文が登場. ケータイを固定電話と対比するのみならず,個室環境としてのウォークマンなどとも比較している. ケータイにより,第3者とすぐに繋がることができるようになった反面,空間的,社会的にも近い人とはかえって距離ができている. さらには,テレビ電話,留守番電話の気まずさを身体,社会,空間,等の側面から説明している. # 見事! それにしても,さまざまな角度から,よく掘り下げられている. # 少し過剰と思えるほど. 参考にしよう.

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