われ敗れたり―コンピュータ棋戦のすべてを語る
米長 邦雄
- 単行本: 189ページ
- 出版社: 中央公論新社; 初版版 (2012/02)
- 言語 日本語
- ISBN-10: 4120043568
- ISBN-13: 978-4120043567
- 発売日: 2012/02
- 商品パッケージの寸法: 19 x 13 x 2 cm
ニコニコ生放送で100万人が見守った第1回将棋電王戦「米長永世棋聖vs.ボンクラーズ」。その激闘の裏側には何があったのか。羽生善治2冠ほかプロ棋士たちの観戦記付き。 ...とのこと.
興味があったので,読んでみた. 第1回電王戦の裏側が描かれた本. 対戦(敗戦)した本人によるものなので,間違いない. さらに,棋譜や他棋士たちの観戦記付き. すでに引退しているとはいえ,あの米長氏が負けるとは... しかも,研究を重ねる過程で,相手(コンピュータ)よりも自分の方が弱いことを悟ったらしい. # 結構早い段階で. その上で,対策を練った. # それでも負けた. たしかに,終盤での詰みの精度は,コンピュータが1枚も2枚も上手. よって,序盤からリードを広げて勝つ必要がある. 序盤でのコンピュータは定跡を利用して計算量を減らしている. よって,この定跡が利用できない場合には,まともに計算することになる. これを逆手にとり,米長氏が編み出した手が,後手番6二玉である. # よって,この手を悪手,奇手とは,絶対に呼ばない(呼ばせない). 研究通り,コンピュータに定跡を使用させず,序盤からリードを広げていったものの, 一瞬のミスにより,あっという間に逆転されてしまう. # それにしても,遠因となる女性記者はとんでもないな.猛省してもらわねば. # 人工知能研究のターニングポイントになり得るのに... にわか将棋ファンとしても,人工知能研究者としても,非常に興味深く,考えさせられる内容であった. # 米長氏のリベンジを熱望. それにしても,現役のプロ棋士ですら対策を練らないと,コンピュータに簡単に負ける時代になったのだな. あとで,棋譜を実際に動かしてみて,いろいろ確認してみよう.