Thursday, September 27, 2007

生物と無生物のあいだ

以下の本を読んだ.

生物と無生物のあいだ (講談社現代新書 1891)
福岡 伸一 (新書 - 2007/5/18)
  • 出版社: 講談社 (2007/5/18)
  • ISBN-10: 4061498916
  • ISBN-13: 978-4061498914
  • 発売日: 2007/5/18
  • 商品の寸法: 17.2 x 10.6 x 1.4 cm
タイトルのとおり,生物と無生物の境界はどこにあるのか,を探る本.
結論としては,動的平衡が保たれているのが生物,ということらしい.
機械とは異なり,生物には時間があり,徐々に,もちろん平衡状態を
保ったまま,ネットワークが構築されていく.
よって,生物においては,機械のようにある一部分を単純に交換する,
などという一回性が存在しない.
逆に,ある重要な部分を抜き取って成長させると,驚くべきことに
全体として平衡状態を保ち,正常な個体が誕生する.
...というようなことが分かりやすく書かれている.
# 分かりやすくといっても,まったくの素人が読むのは困難な気がする.

また,この謎解きは,著者の経験を生かし,実体験がふんだんに
盛り込まれて説明されている.
よって,生物学者のみならず,少しでも研究に携わっている人には,
お勧めの一冊である.
# 研究の内容のみならず,その後ろにある,研究者の立場,競争,などが
# よく書かれている.

PCRの開発に関わる話も非常に興味深かった.
こんな発明をいつかしてみたいものだ.
# そのためには,日ごろの研究が大事.

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