高学歴ワーキングプア 「フリーター生産工場」としての大学院 (光文社新書) [新書]
著者: 水月 昭道 (著)
- 新書: 217ページ
- 出版社: 光文社 (2007/10/16)
- ISBN-10: 4334034233
- ISBN-13: 978-4334034238
- 発売日: 2007/10/16
- 商品の寸法: 17 x 10.8 x 1.4 cm
練りに練った、成長後退期においてなおパイを失わん都執念を燃やす
"既得権維持"のための秘策だったのである。
折しも、九〇年代半ばからの若年労働市場の縮小と重なるという運もあった。
就職難で行き場を失った若者を、大学院につりあげることなど
たやすいことであった。
若者への逆風も、ここでは追い風として吹くこととなった。
成長後退期に入った社会が、我が身を守るために斬り捨てた若者たちを、
これ幸いとすくい上げ、今度はその背中に「よっこらしょ」とおぶさったのが、
大学市場を支配する者たちだった。(本文より)
...とのこと.
大学院の内部状態に関して,よく書かれている本.
漠然と大学院の表面しか知らない人には,衝撃の内容であると思う.
大学の内部にいても,こういうこともあったかと思い知らされる
内容である.
# しかし,大学院重点化とはよくできたシステムである,と
# 改めて感心し,あきれてしまう.
著者が文系の出身のようで,若干,理系の博士とは状況が違う.
しかしながら,あまりにも的を射ていて,これが一般の多くの人の
目に触れていると思うと,...,先行き不安である.
結論的には,博士の学位をとっても,あまりうまみがない世の中で
ある,とのこと.
# 一応,就職以外でのうまみについても若干触れられてはいるが.
# ニートがあふれかえっている世の中で,就職以外のうまみに
# 飛びつく若者はいないだろう.
# すでに大学に就職している身としては,就職できたこと自体が
# 奇跡的であり,よかったとしか言いようがない.
# やっぱり,努力次第でどうにかなるのではないだろうか?
# いや,やっぱり,過信しすぎか?
それでも,学生には進学してもらいたい,と思うのはなぜだろう.
この謎が解ければ,日本の高等教育発展の一助になるのだろう.
# とりあえず,修士の学生は増やしたいものだ.
大学間格差を感じる,今日この頃である.
# 弱い大学は喰われていく運命にある.
# うちの大学は大丈夫だろうか?
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