Tuesday, August 25, 2009

終の住処

以下の本を読んだ.

終の住処
磯崎 憲一郎 (著)
  • 単行本: 142ページ
  • 出版社: 新潮社 (2009/7/24)
  • ISBN-10: 410317711X
  • ISBN-13: 978-4103177111
  • 発売日: 2009/7/24
  • 商品の寸法: 19 x 12.6 x 2 cm
妻はそれきり11年、口を利かなかった――。
30を過ぎて結婚した男女の遠く隔たったままの歳月。
ガルシア=マルケスを思わせる感覚で、日常の細部に宿る不可思議を
あくまでリアルに描きだす。
過ぎ去った時間の侵しがたい磐石さ。その恵み。
人生とは、流れてゆく時間そのものなのだ――。
小説にしかできない方法でこの世界をあるがままに肯定する、
日本発の世界文学! 第141回芥川賞受賞作。
...とのこと.

第141回芥川賞受賞作につき,読んでみた.
芥川賞らしく,非常に分かりにくい(?)内容になっている.
一応,テーマは愛らしい.
タイトルにあるとおり,最終的には,夫婦の愛に帰着する.
これに至るまで,11年間,妻は口を利かなかった.
# なんとも恐ろしい.
その間の,男の心理描写が,浮気を中心に描かれている.
男の妄想と現実が区別されることなく,書かれており,これが
人間の思考をそのまま表現しており,小説にしかできない方法と
言われる由縁なのだろう.
# 確かに,映像化しても陳腐だろう.
それにしても,分かりにくい内容だった.
# 論理が破綻しており,これが論文だったら,誰も読んでくれないだろう.
実際,最初の頃は,読み飛ばした部分があるのかと思い,
前のページを読み返したくらいだった.
それでも,芥川賞と言われると,立派な作品に見えてくるのが
不思議なところである.

もう1編,書き下ろしの「ペナント」も収録されていた.
こちらも小説でしか表現できない,映像化は無理な作品であった.

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