Monday, August 30, 2010

乙女の密告

以下の本を読んだ.

乙女の密告
赤染 晶子
  • 単行本: 121ページ
  • 出版社: 新潮社 (2010/07)
  • ISBN-10: 4103276614
  • ISBN-13: 978-4103276616
  • 発売日: 2010/07
  • 商品の寸法: 19.4 x 13.2 x 1.2 cm
京都の大学で、『アンネの日記』を教材にドイツ語を学ぶ乙女たち。
日本式の努力と根性を愛するバッハマン教授のもと、スピーチコンテストに向け、
「一九四四年四月九日、日曜日の夜」の暗記に励んでいる。
ところがある日、教授と女学生の間に黒い噂が流れ…。
(わたしは密告される。必ず密告される)―第143回芥川賞受賞。
...とのこと.

芥川賞受賞作につき,読んでみた.
まじめな女子大生である,乙女たちの物語.
西洋人形を抱えたバッハマン教授,これを密かに慕う麗子様,
対立グループのリーダー百合子様,帰国子女の貴代,など
個性豊かな登場人物が花を添える.
麗子様と教授の間に黒い噂(?)が流れ,この真相を探るべく
向かった主人公自らに噂が流れる.
乙女は噂好きであり,その真実は禁断の果実であるとのこと.
また,言葉は出会うためにあり,思い出せない言葉が本当に必要な
言葉である.
アンネの日記を題材に進むが,ついには,その密告者の正体が明らかになる.
# 自分のことだが.
この正体,真実を明らかにし,アンネの名前を語ることで,物語は終結する.

表現は稚拙に見えるが,確かに凝った内容である.
# 勘ぐりすぎな気もするが.
芥川賞としては,ふさわしいかな.
# アンネの日記を読んでいれば,もう少し楽しめるのかな.

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