月と蟹
道尾 秀介
- 単行本: 333ページ
- 出版社: 文藝春秋 (2010/9/14)
- ISBN-10: 4163295607
- ISBN-13: 978-4163295602
- 発売日: 2010/9/14
- 商品の寸法: 19 x 13.4 x 3 cm
行き場のない思いを込めた他愛ない儀式がやがて……。
子供たちの切実な心が胸に迫る俊英の傑作!
第144回直木賞受賞作品。
「ヤドカミ様に、お願いしてみようか」
「叶えてくれると思うで。何でも」
やり場のない心を抱えた子供たちが始めた、
ヤドカリを神様に見立てるささやかな儀式。
やがてねじれた祈りは大人たちに、そして少年たち自身に、
不穏なハサミを振り上げる
―やさしくも哀しい祈りが胸を衝く、俊英の最新長篇小説。
...とのこと.
直木賞受賞作につき,読んでみた.
子どもたちの他愛のない遊びを丹念に描いている.
子どもでありながら,複雑な心理を見事に表している.
ヤドカリを神に見立てる遊びは,どこにヒントを得たものか,
この発想には感嘆する.
子どもの遊びといいながら,非常におどろおどろしい感じが
全体を支配している.
慎一と鳴海の両親を通した関係,慎一と春也のヤドカミ様を
通した関係が忠実に描かれている.
# 非常にこわい...
これに,祖父と蟹(と月)が加わり,ストーリーは結実する.
良くできた作品だ.
# なるほど,直木賞に値するな.
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