Friday, March 08, 2013

何者

以下の本を読んだ.

何者
朝井 リョウ

  • 単行本: 286ページ
  • 出版社: 新潮社 (2012/11/30)
  • 言語 日本語
  • ISBN-10: 4103330619
  • ISBN-13: 978-4103330615
  • 発売日: 2012/11/30
  • 商品の寸法: 19.2 x 13.8 x 2.8 cm

第148回(平成24年度上半期) 直木賞受賞 「あんた、本当は私のこと笑ってるんでしょ」就活の情報交換をきっかけに集まった、拓人、光太郎、瑞月、理香、隆良。学生団体のリーダー、海外ボランティア、手作りの名刺……自分を生き抜くために必要なことは、何なのか。この世界を組み変える力は、どこから生まれ来るのか。影を宿しながら光に向いて進む、就活大学生の自意識をリアルにあぶりだす、書下ろし長編小説。 ...とのこと.

直木賞受賞作につき,読んでみた. # 大学出立てで直木賞とは... 就職活動(就活)を巡る4人の大学生が中心の物語. 演劇に携わっていた1人の視点から描かれている. 小道具として SNS が用いられている. # 小道具というか,物語の本質. 実際,いまどきの大学生は常時 SNS を利用しているだろう. 4人で協力し合い(?)就職活動が展開される. # 実際には,あまり協力していないかな. # 協力体制に関しては,石田 衣良,シューカツ!の方が描かれている. 章の切れ目に実際のツイートが挟まれ,物語が進行していく. # 隠れツイートは最後に登場. 口頭でのコミュニケーション,SNS でのコミュニケーション,さらに,隠れツイートでのコミュニケーションが巧みに絡み合い,うまく表現されている. # このあたりは,若い著者の特性が出ており,年配作者には絶対無理な手法かな. 最後には,ちょっとしてどんでん返しもある. # 何者,NANIMONO,5年生. これによる隠れツイートが最後にまとめて記述されており,物語の進行とリンクさせると驚愕する. 現代風のなかなか優れた作品であった. # でも,さすがに直木賞には早すぎないかな... また,最後に目覚めたとしても,何者にもなれない主人公の将来はやっぱり暗い...かな. # 作中にあるとおり,就活においては,やはり理系の大学院卒が最強だな.

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