アサッテの人 (単行本)
諏訪哲史 (著)
- 出版社: 講談社 (2007/7/21)
- ISBN-10: 4062142147
- ISBN-13: 978-4062142144
- 商品の寸法: 19 x 13.2 x 1.8 cm
アパートに残された、叔父の荷物を引き取りに行った主人公は、
そこで叔父の残した日記を見つける。
現代において小説を書く試みとは何なのか?
その創作の根源にある問いに、自身の言葉を武器に格闘し、
練り上げられていく言葉の運動。
精緻にはり巡らされた構造と、小説としての言葉の手触りを
同居させた、著者の大胆な試み。
読書家としても知られる各氏をうならせた、
驚異の才能のデビュー作!
第50回群像新人賞と第137回芥川賞をダブル受賞し,
選考委員各氏が大絶賛...とのこと.
小説を書いていく工程を小説にする,というなんとも変わった作品.
このように書くとなんの変哲もないただの日記的なものを想像するが,
実際に読んでみると,見方が一変する.
普通の日記のように,時系列順に場当たり的に書いているのではなく,
非常に精緻な構造を有している.
# それとも,行き当たりばったりでここまで書いているとしたら
# それこそ,ほんとの天才.
内容もさることながら,この構造が凡人にはまねができない.
# というか,思いつかない,というか,思いついても実行しようとはしない.
しかしながら,どこまでが実話で,どこからがフィクション,あるいは
どこまでが小説でどこからがドキュメンタリーか?
アサッテ的思考をみごとにえぐる,卓越した感性であり,選考委員が
絶賛するのもうなずける.
この感性を生かした,今後の作品に期待.
# 普通の作品も読んでみたいなー.
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